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長野県民主医療機関連合会

アクセスマップ

〒390-0803
長野県松本市元町2-9-11
民医連会館2F
TEL.0263-36-1390
FAX.0263-33-1229

機関紙:長野県民医連

第225号 2009.02.25

地域を見つめる“目と構え”をもつ医師を225_img02.jpg
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1月3日、第5回健和会医系学生交流会が開かれ、医学生12人、看護学生4人、リハビリ系学生5人が参加しました。とりわけ医学生の参加は過去最多で、後継者づくりへの明るい希望となりました。健和会病院医学生担当の牧内智則さんにお話を聞きました。


12人の医学生の参加は圧巻ですね。健和会医学対はどのような活動をしているのですか。

医学対の1日は、医学生や医学部をめざす高校生とのメールから始まります。日常的な結びつきを大切にすることで、信頼関係を強めることができます。仕事というよりは人間としての付き合いが大事です。

毎年1回、飯田高校の進路指導室からの依頼で「社会人講話」の講師を務めます。1年生を対象に職業人がその魅力を語り、職業選択を考える1つの機会になっています。その医療分野に当院から医師・看護師・薬剤師・リハビリ技師が出かけています。

春夏2回は高校生1日医師体験を行います。病院への親しみと、私達のめざす医療に共感をもってもらう場です。さらに医学部受験者への受験激励会や模擬面接で関係が親密になります。

ここでの関係づくりは奨学生へのきわめて大切なステップです。模擬面接後はこまめに学生とやり取りをして、受験大学の情報や試験へのアドバイスを繰り返します。

和田医師の話に耳を傾ける参加者

合格すると、「やりました!!」と連絡をくれるので、早速実習へ誘います。医学部合格直後は、入学前実習を積極的に行い、医療現場を見てもらいながら、民医連医療への共感を導き出し、奨学生になってもらいます。ここ数年は、実習をした学生の半数以上を奨学生に迎えています。

現在、飯田出身の奨学生は9人、飯田から医学部へ合格する学生の約2割強を占めています。ちなみに、今回の参加者のうち8人(5年生1、4年生1、3年生1、2年生3、1年生2)が奨学生です。

医学生の感想からも交流会の成功がうかがえますね。

学習の様子

飯田出身の奨学生が増えるにつれ、学生からも「今年は何をやるんですか」と聞かれるようになり、「健和会医系学生交流会」が正月の恒例行事として定着しました。

準備は、夏に構想を考えて、学生との面談の中で日程をあけておいてもらうようにします。講師(今回は熊谷県連会長、牛山院長、長野中央病院から番場副院長)から話したい内容を知らせてもらい、それを軸にして、医系学生担当者で相談します。

今年のテーマは「飯伊地区の医療はどうなってしまうのか?」と「いい研修とはどんな研修か?」で行いました。身近な医療情勢と日本の社会問題をリンクさせて考えてもらえる内容となっています。

分科会は、医学生部門は高学年が増えるので、民医連の医師研修の視点と優位性。看護・リハ部門は民医連医療の素晴らしい実践から学ぶ企画を行いました。

今回は研修がテーマということや、医学生が12人集まるのは珍しいので、研修病院担当者や県連担当者にも応援してもらいました。 交流会の後半は鍋パーティー。さながら飯田高校同窓会のようでした。

医学対としてめざしているのは。

民医連を志す学生の集団化です。以前「民医連の奨学生はお金だけでなく、学生時代からしっかり学びあえるのが魅力ですね」と語った学生がいましたが、長野県連(健和会病院)の医療を共につくる仲間達が、地域を見つめる「目と構え」を学生時代から培ってもらえればと思います。

参加者の感想


  • 毎年参加していますが、飯田出身者同士の交流会は、とても大切だと思います。飯田の医療への責任感がわいてきます。
  • 民医連の考える医療の壮大さに驚かされました。医学=医療ではない。人の優しさだとか、人権を守る視点の大切さだとか。学校では学べない部分をしっかり学習しないといい医師にはなれないと感じました。

人権のアンテナを高く!

県連第3回 一職場一事例運動交流集会で“気づきの視点”を交流

1月15日に開催された交流集会では、各連絡会からの困難事例を元に、その事例に気づいた着目点やその後の展開を交流し、学習しました。128人が参加し、100を超える事例が分散会に持ち寄られる活発な集会となりました。

傍観者にならず、人権のアンテナを磨く意義を確認

各グループで「気づきの視点」を深めました
各グループで「気づきの視点」を深めました

3回目を迎えた今回は、(1)一職場一事例運動の“そもそも”を再認識する (2)各連絡会の運動展開のしくみ、工夫点、課題に学ぶ (3)事例を持ち寄り、どんな事例を挙げるのか、気づきの視点や事例から学べた経験を交流する、の3点を目的に掲げました。

諏訪共立病院在宅総合センター事務局長の鮎沢ゆかりさんは基調報告で、「班会や気になる患者訪問など、さまざまな取り組みを通じて、お金のあるなしでなく、もっとも医療を必要としている人に提供するのが私たちの使命です。アメリカ発の経済破綻のあおりを受け、職を失った人たちは無保険・食なし・住なしの、憲法25条違反の生活を送っています。そのうえ『自己責任』や『市場原理』を押し付けられ、『自立しろ』といわれ、本当に必要な人が社会保障から遠ざけられています。セーフティネットに大きな落とし穴があいてる状態です。

それに対して、『ボクらは人間だ!』と立ち上がり、『年越し派遣村』が起こりました。私たちはまだましかも…という高見の見物ではいけません。感度を高め、日常活動やもうひとまわり広げた行動を、いろいろな形で連帯し繰り広げましょう」と呼びかけました。

参加者からは、「『待っていてはダメ』『ワイドショー的に見ていてはダメ』など、地域に出ることの重要性を学びました」という感想が寄せられました。

また、中信の“いのちのアンテナ”に学んで報告用紙を改善したことや気に患ポスト設置、年越し派遣村へのボランティア参加など、各連絡会の取り組みが報告されました。

どうしたら気づけるのかも話し合えた分散会

報告する鮎沢ゆかりさん
報告する鮎沢ゆかりさん

今回、ひとり一事例の持ち寄りをしたという点は画期的でした。分散会のあるグループでは、調理師の職員から「日常的に患者さんとの接触がないので、どんなことに目を向けたらいいのかわからない」という率直な疑問が出され、みんなで「嗜好調査などから拾える情報があるので、栄養課との情報共有が大切」「月に1回患者さんと話す機会があるが、そこでの会話の中で気づくことがあるのでは」など、ケースを想定しながらどうしたら気づけるのかも話し合い、深めることができました。

まとめでは、(1)集会参加者が事例運動のインストラクター、伝道師、推進者としての役割を各地域で果たそう (2)情勢に対応した、私たちの目と構えを一層高めよう (3)100年に一度の命の危機は人災。人が助け合う行動を各地で起こそう (4)きたる総選挙で政治の転換を実現しよう、という行動提起がされました。

(県連社保委員長野口 正泰)

患者さんを取り巻く厳しい状況を塩尻市と懇談

2月2日、塩尻市役所で、小口市長、樋口福祉事業部長(福祉事務所長兼任)と古川塩尻協立病院長をはじめとした管理部や社保委員などの職員が懇談をしました。

市長懇談は年1回くらい行われていて、例年は医療懇談会というような形で、共同組織のみなさんや市会議員も参加しますが、今回は病院職員だけで行われました。

正面左の白いジャンパーの男性が小口塩尻市長、右が樋口部長。病院関係は、写真左から新井医事課主任、細川事務長、2人おいて古川院長、中村事務次長
正面左の白いジャンパーの男性が小口塩尻市長、右が樋口部長。病院関係は、写真左から新井医事課主任、細川事務長、2人おいて古川院長、中村事務次長

懇談で特徴的だったのは、病院の職員が、医療従事者として近年の社会情勢の著しい変化に伴い、困難事例(身元引受人がいない、経済的問題、虐待に関する問題)が増えている実情を伝え、塩尻協立病院の事例をもとに市の行政と病院との連携協力について懇談した点です。病院長の参加も初めてです。

大きな成果は、市からの「行政として積極的な対応をしていく」という内容を樋口氏からうかがえたこと、小口市長に、「窓口の対応で適切でない点があった」と認めてもらえたことです。

個別の事例が、これから解決に向けてどう動いていくかはまだわかりませんが、今後もこうした機会を続けて、市民が安心して暮らしやすい地域にしたいと思います。

(塩尻協立病院MSW・西村昭太)

事務長に元気と勇気! 初の地協診療所事務長交流会ひらかれる

初の地協診療所事務長交流会

1月23、24日、交流と学習を目的に第1回北関東甲信越地協診療所事務長交流会が長野市で開催され、36診療所のうち23人の事務長が参加しました。長野県連からも7人が出席しました。

1日目は「民医連における介護事業の展開と基本理念」の学習講演の後、基調報告がありました。報告は事前調査に基づいて「診療所の経営分析」を新潟県連の富樫由希夫さんが報告し、「事務長から見た診療所」というテーマで5県連から報告を行いました。

2日目はグループ討論が行われ、診療所活動の多彩さを反映し、医療・介護・介護予防など多岐にわたって意見交換がされました。

診療所事務長は診療所の運営と経営に責任をもち、仕事の内容は患者対応・自治体対応・医事・経理・人事・総務など多彩です。経験の浅い事務長も多く、日常的に多くの悩みを抱えています。交流会は多くのアドバイスをもらい、ヒントを得、元気と勇気がわき、診療所事務長の役割とやりがいについて認識する場となりました。「診療所に戻れば事務長は孤独なので、今後も交流会を続けてほしい」という要望も出されました。

09年度には県連内でも診療所交流会開催を予定しています。12年には診療報酬と介護報酬の同時改定があるので、診療所の事業展開について研究できるよう経験交流をすすめていきたいと考えています。

(上田生協診療所・依田 和久)

細菌性髄膜炎ワクチンの定期接種へ一歩

飯田市議会で意見書採択

飯田市の平成20年第4回定例市議会で「細菌性髄膜炎ワクチン定期接種化を国に求める意見書」が採択されました。全国5番目の採択です。また、南信州広域連合では、全市町村長の連名で同様の要請を提出することを決めました。これは飯田医師会が08年から要請していたものです。

細菌性髄膜炎の主な原因である「ヒブ」のワクチンは、世界108か国で定期接種(公費での接種)とされています。日本では世界から大きく遅れて、08年12月から接種が始まりました。しかし、自己負担で1回7000円程度、標準の4回接種で3万円近くかかります。

細菌性髄膜炎は全国で年間に600例くらいの発生があり、死亡率5%、15~20%に後遺症が残ります。

飯伊社保協では、飯田市以外の町村にも意見書採択・自治体独自の補助を要請していく方針です。

(健和会病院小児科医師・和田 浩)

新型インフルエンザへの危機感を新たに -県連薬剤師学術研究発表会ひらかれる-

県連薬剤師学術研究発表会

12月14日、県連薬剤師学術研究発表会が、長野中央病院で開催され、72人が参加しました。

薬剤評価など10演題と共通演題「ジェネリック医薬品の変更」6演題、1、2、3年目研修者によるポスター発表と共通演題を受けて、初めての試みとしてパネルディスカッションによる意見交換が行われました。

また、県立須坂病院感染制御部長の高橋央先生による「新型インフルエンザ」に関する特別講演では、現在の状況、今後の課題や薬剤師の役割などが話されました。参加者は一様に「新型インフルエンザ」に対する認識の甘さを痛感しつつ、薬剤師の役割の重要性を再認識する機会となりました。

(薬剤師委員会研修委員長・長谷部 優)

シリーズ発言 いのちを大切にする国へ10

訪問看護ステーションながの・看護師 穐澤君代

在宅総合ステーションながののなかまと(前列左から3人目)
在宅総合ステーションながののなかまと(前列左から3人目)

「70歳を過ぎていて入院させておいてくれる病院なんてどこにもありませんよ」

私の父が、認知症による強い問題行動が原因で入院した病院の院長が、病状説明の時に私に言ったひと言です。私が医療関係者だと知ってか知らずか、鼻で笑った医者の顔と言葉は、今でもはっきりと憶えています。

私の父は、介護保険制度の始まる2年前から、措置入所で特別養護老人ホーム(特養)に入所していました。介護保険開始時に、入所が個人契約となり、要介護度は2と判定されたので、「入所が継続できる」とほっとした矢先の入院でした。

入院と同時に、特養の職員が対応しきれないことを理由に退所を迫られました。行政に相談したところ「退所はやむを得ないのではないか」ということ、それ以外の知恵や力は貸してくれませんでした。そして、なるべく長く入院をお願いした時に前記の医者の言葉がありました。

私が看護師になって25年がたちました。在宅にかかわるようになって10年になります。その間、医療保険や介護保険の改定により、医療・福祉をとりまく情勢は悪化の一途をたどっています。医者の言葉も施設の対応も、経営を守る立場からすると致し方なかったのかと思うときもあります。しかし、本当につらかったのは父ではなかったか、守られるべきだったのは父ではなかったかと思うのです。

09年4月に介護保険の改定が行われます。内容を見ると、一見介護報酬が改善されたのかと思えますが社会保障費の削減はそのままです。介護報酬が上がれば上がっただけ利用者の負担は増え、在宅福祉介護料* は年々減り続け、廃止されるかもしれません。しわ寄せはいつも一番つらい、一番守られなければならない人たちにいきます。

日々の仕事の中で、社会保障活動の中で、いろいろな情報をキャッチし、発信することができます。そういうことができることだけでも民医連で働く意義はあるのではないかと思うのです。

*長野市から、市内に1年以上居住する20歳以上の在宅障害者を、基準日以前1年間に居宅で通算6か月以上介護している者に支給される。

東南西北

東信
「たんぽぽの会」新年会

「たんぽぽの会」新年会

2月7日、田沢温泉冨士屋ホテルで東信医療生協保健委員連絡会「たんぽぽの会」新年会が行われ、保健委員(保健大学卒業生)20人が参加しました。

午前は上田生協診療所の依田事務長が「電子カルテの話」を紙芝居やスライドを使って話し、午後は温泉で和やかに交流しました。

上伊那
在宅支援診療所を開所!

在宅支援診療所を開所!

1月1日付で、上伊那生協病院付属診療所が、ご近所の民家を借りて開所しました。温かな印象の玄関に格調高い(?)木彫りの看板が掛けられる予定です。病院開設から3年目、さらなる在宅医療の充実をめざし、24時間体制で在宅患者さんへ安心の医療を提供していきます。

南信
認知症への関心の高さを実感

認知症への関心の高さを実感

グループホーム高尾では、主に岡谷市鮎沢区のみなさんと「認知症の人が生き生き暮らすために」と題した勉強会を行いました。予定をはるかに超える約50人の参加で大盛況でした。

認知症は特別な病気ではなく、日々前向きに元気よく生活できることを学びました。

中信
名実共に「みんなで作る」診療所に

名実共に「みんなで作る」診療所に

大町協立診療所への期待が高まる中、2月8日、恒例の「大北連絡会新年会」が100人の参加で賑やかに開催されました。

上小澤所長の講演、倉科専務の挨拶、診療所建設運動の足跡、職員の紹介などに、参加者は真剣な眼差しで聞き入っていました。支部ごとの余興も格調高く、時間を忘れて楽しみました。

飯伊
新ユニフォームで気持ち新たに!

新ユニフォームで気持ち新たに!

健和会病院では、2月からほぼ全職種のユニフォームが新しくなりました!!

ユニフォームが変わったことで、職場の雰囲気も今までとは少し違う気がします。これを機に、みんなでがんばって日々の業務に取り組んでいきたいと思います。

長野
温かな交流と信州の冬を満喫!

温かな交流と信州の冬を満喫!

1月31日~2月1日、戸隠スキー場で日生協医療部会と長野医療生協主催の「第2回雪の祭典IN NAGANO」が開かれました。長野医療生協スキー愛好会が全面協力し、全国から訪れた142人が、スキー、スノーシューでの散策(写真)、宿坊主人が語る戸隠伝説など、大自然と交流を楽しみました。


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