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長野県民主医療機関連合会

アクセスマップ

〒390-0803
長野県松本市元町2-9-11
民医連会館2F
TEL.0263-36-1390
FAX.0263-33-1229

機関紙:長野県民医連

第230号 2009.07.25

県連副会長からの手紙

衆議院選挙8月30日 未来をつくる選挙に行こう!

05年9月11日以来、4年ぶりの総選挙が行われます。この間、小泉・安倍・福田・麻生と総理大臣はかわっても、自民・公明連立政権により、国民は苦しめられてきました。
社会保障費が毎年2200億円削減され、後期高齢者医療制度が始まり、診療報酬は改定のたびに下げられ、介護保険にホテルコストが導入され、年金保険料は毎年値上げされました。家も仕事も食べ物もなく、医療さえ受けられない人がちまたにあふれるこの国を、崩壊から再生へ向わせる選挙は目の前です。3人の県連副会長にメッセージを寄せてもらいました。

"自覚的な大衆"としての一票を

松本協立病院院長 具志堅 進

松本協立病院院長 具志堅 進

いよいよ総選挙が秒読みの段階に入りました。
今度の選挙を端緒として、長く続いたわが国の新自由主義の流れが変わることを心から願っています。そのためにはもちろん「投票する」こと。しかし投票すればそれで良いということではありません。ムードで投ずる一票の怖さを心に留めていただきたいのです。
4年前の小泉氏の郵政選挙は、ある意味で民主主義の怖い一面を示す象徴的な選挙でした。氏のパフォーマンスが効果的に報道され、与党は大勝しました。そして、いくつもの重大な法案が衆議院の3分の2再議決というベルトコンベアに乗せられ、つぎつぎと可決されてしまうという恐ろしい現実をもたらしました。
大衆の投じる一票は、民主国家で民主的な選挙の中からヒトラーを生み出すこともできます。彼も演説がうまかったそうですが、いつの時代もナイーブな大衆は罪作りなものです。
私たちは、政治の昏迷を政治家のせいにします。でも本当に怖いのは"善意の報道者"と"善意の大衆"であることを忘れてはなりません。
語られる言葉、伝えられる報道から隠された本質を読み取るには、歴史に学び、自らの頭で考える他ありません。
"善意の大衆"ではない、"自覚的な大衆"として一票を投じたいものです。

日本の再生はいかにして可能か

長野中央病院院長 山本 博昭

長野中央病院院長 山本 博昭

日本人の8割近くが中流階級、という意識調査がマスコミを賑わせたのは、もうかれこれ25年くらい前のことであろうか。終身雇用のもと会社に忠誠を尽くし、老後は保障も一定約束され安心して生活できた、ある意味、古きよき時代である。それが1990年のバブル崩壊後しばらくして、このバブルを清算すべく、小泉・竹中という人たちの新自由主義路線が政治の表舞台に顔を出していく。それは中南米で既に破綻した路線であった。売国奴といわれる彼らの残したものは何か?今、改めてその歴史的評価がなされつつある。
この3年の間に心を打たれるテレビ番組が2つあった。一つは「ハゲタカ」、もうひとつは「ワーキングプア」。ハゲタカといわれる外資系資本により日本の古くからの資産が買い取られていく。規制緩和と自由競争、グローバリゼーションという旗印の下に推進された新自由主義は、一方で雇用の不安定化とともに、若者、老人世帯、山間部の農村を中心にとんでもない貧困を生み出し、同時に成金的な金融資本を生成してゆくが、結局はそれもライブドアのように一部は崩壊していった。
再生はいかにして可能か?一つは医療を中心とした社会保障の充実が欠かせない要素である。対GDP比6%程度と先進国最低の医療費配分を是正し、患者負担を同時に軽減する必要がある。雇用が保障され安心して生活でき、個人の非常時には国家が一定の保障をしてくれる、そうでないと生産的な社会生活は困難であり、それが脅かされると人心が乱れ、家庭不和や青少年犯罪も増加していく。
この国はどうなってしまうのだろうか。日々外来で感じることがないような、そんな日本にしてもらいたいものである。

がんばれば政治は変わる

諏訪共立病院院長 岩間 智

諏訪共立病院院長 岩間 智

"絶対的医師不足"のなかで、小病院の院長として日々仕事をしています。仕事の内容は、内科医としての診療業務が約95%、院長としての管理業務が約5% (数字はあくまでも主観的なものであり「院長業務をもっとしなくては」と感じています)ですが、じっくりものを考える時間も余力もありません。大きなミスをしないように、自分が倒れないようにと気をつけながら仕事しています。
ところで政府は6月23日、「経済財政改革の基本方針(骨太の方針)2009」を閣議決定しました。このなかで、小泉内閣が「過去5年間の改革で△1.1兆円を踏まえ、今後5年間においても改革努力を継続する」とした骨太方針2006以来、毎年掲げてきた「社会保障費自然増2200億円の削減」を、今年度からしないと決めました。これは、ドクター・ウェーブ等で医療従事者が訴え続けてきた、「医療崩壊の根本原因=医療費が安すぎ」ということを、政府も認めざるを得なくなったということだと思います。まさに「がんばれば、政治は変わる」と実感しています。
しかし、次の総選挙後、「現在の医療・福祉を継続するには財源が必要だから、消費税を上げましょう」になってはだめです。崩壊寸前の医療・介護の窮状を周りの人々に拡げ、みんなで選挙に行きましょう。

総代会・総会ひらかれる 09年度の各法人の重要目標

5・6月に県内各法人で総代会、総会が開かれました。法人の代表に09年度の重点を報告してもらいました。

中信勤労者医療協会 5月30日・第35回定期社員総会

中信勤労者医療協会

午前中の総会は、08年度の事業報告と決算、09年度事業計画・予算の報告、午後は、各事業所事務長からのパワーポイントを駆使した事業所報告をしました。
09年度は、民医連空白医療圏に開設した大町協立診療所(写真)・デイサービスセンターで、運営と経営を初年度から軌道に乗せること。増床に向けた松本協立病院の増改築計画と塩尻協立病院を中心とした施設展開の課題を含めた協会(中信民医連)第4次長期計画の策定を1万8000人の友の会員とともに成功させることなどを決めました。
(専務理事・倉科 幸平)


長野医療生活協同組合 6月28日・第54回通常総代会

長野医療生活協同組合
リニュアルされた南長池診療所

08年度は、後期高齢者医療制度廃止の運動を旺盛に進めながら、組合員5万人の達成、産婦人科開設、グループホームやデイサービスの新規事業を組合員とともに取り組んできました。
今年度は、医師養成のための研修関連の充実、地域の要望に応える救急と外来化学療法部門の拡充をすすめ、総代会で決定した第6次長期計画(09~12年度)では、トークイン長野跡地(病院から徒歩2分:760坪)での事業展開と長野中央病院の第9期増改築計画に取り組みます。また、組合員6万人と出資金15億円の到達をめざしながら、地域の人々のいのちと暮らし、健康を守る運動を組合員とともに大いに進めます。
(専務・谷口 亮一)


南信勤労者医療協会 5月30日・第36回定期総会

南信勤労者医療協会

世界の市場経済主義は崩壊しましたが、日本の再生能力は極めて低く、首都の東京は派遣テント村ができ、見物人が訪れる特異な存在です。雇用や生活、社会保障、医療や介護のセーフティーネットはボロボロです。
こんな状況にもかかわらず元気をもらえるのが地域です。地域住民の切実な願いと怒りです。どんな状況になっても地域住民に寄り添う骨太方針こそが、私たち事業展開のキーワードです。
09年度は「無料・低額診療事業」の実施、リハ回復期病棟(写真)の充実、在宅患者への支援強化-などを展開します。
今こそ民医連の原点に返り、諏訪の底力を発揮したいと思います。
(専務理事・森 正明)


東信医療生活協同組合 6月27日・第25回通常総会

東信医療生活協同組合

08年度は法人の長期計画2年目を迎え、民家改築によるデイサービス(元気倶楽部・まゆ)をほぼ軌道に乗せ、電子カルテシステムも定着。少ない医師体制のもとで、外来や健診をはじめ、介護事業の奮闘もあり事業収益は増収となりました。
09年度は医師体制がさらに困難になっており、診療所の診療を一部縮小しながらのスタートとなりました。常勤医師の確保は最重要の課題です。また、新たな介護事業への挑戦もあります。09年の法人のキーワードは、「医師の確保」と「新規介護事業」です。
総代会では、こうした課題をみんなの力で実現させること、事業所利用の結集をつよめ、新たな事業に挑戦するためにも組合員拡大目標1000人、2000万増資の達成などの方針が全会一致で承認されました(写真)。
(専務理事・原 健)


医療法人健和会 6月7日・第35回定期総会

医療法人健和会
09年はDPC導入

総会は、08年度の事業報告を承認し、09年度の事業計画を決定しました。
09年度は、(1)病院の急性期分野とリハビリを強め、DPC(診断群分類包括払)を軌道に乗せ、同時に経営改善も行う(2)2つの診療所及び介護事業所を中心に在宅分野を強化する(3)社保・平和運動をすすめ、共同組織も拡大して安心して暮らせる地域をつくる(4)第6次長期計画を総括し、次期長期計画を策定するなどです。
総会の中では、今年度の新入職員の紹介と決意表明も行われ、参加社員の大きな拍手で歓迎されました。また総会に先立ち、全日本民医連綱領の改訂草案についての学習会も実施し好評でした。
(健和会専務・林 憲治)


上伊那医療生協 6月26日・第25通常総代会

上伊那医療生協
総代会への報告

上伊那は外国人労働者の派遣切りを始め、有効求人倍率全国最下位の0.27倍の厳しい求職状況の中で、SOSネットワークの活動を全職員が参加する運動として取り組むこと、来年度策定する第4次長期計画を1年かけて議論することが特徴の年度となります。
「出会い・ふれあい・支え合い」の "地域あい(I)プロジェクト" で新たなつながりを広げて対話運動を起こし、2万人組合員や5000万円の出資金の純増をはかります。経営面では、5億8千万円の累積赤字の圧縮を計画的にすすめるため、今年度は、1億円の黒字に挑戦します。各事業所は、事業の質を高めて医療生協ブランドの品質向上をめざします。そのために医師、看護師の確保をすすめます。
(専務理事・野口 正泰)


最近話題の "DPC" ってどういうものですか?

長野中央病院入院医事課長の栗田健一さんに聞きました

新しい診療報酬方式です。

長野中央病院では、この4月からDPC病院になりましたが、DPCとは、どういう制度なのかを簡単に紹介したいと思います。
DPCは入院医療費に適用され、1入院につき1疾患名で対応し、入院日数と費用が決められています。
現在の診療報酬は、出来高払い方式です。これは、一つ一つの医療行為を点数化して、計算する方式です。出来高払いに対するのが包括支払(定額支払方式)で、一定額のなかで診療行為を行う方式です。
出来高では投薬過多等、包括では粗診粗療とそれぞれの方式には、メリット、デメリットがあります。

医療費削減ではなく適正運用が大事です。

厚労省は、医療費の削減のために、日本では2003年4月から二つの方式を併せた、DPC(診断分類別包括支払方式)が、高度な医療を行う大学病院等に導入されました。その後、急性期医療を行う病院が参加(現在1400病院)しています。
DPCによって検査の適正化等の効率化、在院日数の病院間格差が減少されます。また、患者さんへの情報公開による医療の改善等、医療の標準化が期待されています。
4月から実際にDPC算定を行ったところ、重症者への医療行為が、出来高算定方式に比べて低い点数になり、逆に医療行為が少ない場合には高い点数になるなどの矛盾が生じ、DPCが不完全な制度だということを感じています。
今後、DPCが医療費削減を目的にしたものではなく、医療の標準化を目的としたものになっていくために、適正に運用されていくことが大事だと思います。

DPCのイメージ図

〈今までの会計方式〉   〈DPCによる会計方式〉
出来高計算 包括計算   出来高計算
入院基本料
検査
注射

X線検査
手術料
胃カメラ料
心臓カテーテル検査料
入院基本料
検査
注射

X線検査
手術料
胃カメラ料
心臓カテーテル検査料

シリーズ発言 いのちを大切にする国へ(14)

松本居宅介護支援センター ケアマネジャー 吉井充恵

松本居宅介護支援センター ケアマネジャー 吉井充恵

ケアマネジャーは、利用者の在宅での生活を支えるために、各種サービスを提案して生活のプランをたてていますが、限界と感じれば施設サービスに速やかに移行できるよう繋げていきたいと思っています。
しかし、現実は施設数が足りず、入所までの在宅での生活を成り立たせるために、限度額以上のサービスを利用しなければならない状況です。
Kさんは、生活保護を受けている男性で、女性と同居されていました。脳梗塞後の麻痺などで、日中のほとんどをベッドで過ごされていました。ポータブルトイレへの移乗がなんとかできる状態で、食事はベッドサイドに用意されないと、召し上がることができませんでした。
同居女性が入院してしまうとKさんは一人となり、食事や水分が摂れない、服薬できない、デイサービスの用意ができない等、1日のほとんどに援助が必要になりました。
在宅生活の限界と思い、施設を探しましたがまったく空いていない状況。市の生保担当者等と相談し、施設の空きを待ちながら在宅生活を維持するために、介護保険と障害者自立支援制度を併用して、1か月46万円のプランの利用が許可されました。
Kさんは生保のため自己負担はありませんでしたが、通常なら介護保険の限度額オーバー分を含めて20万円近く、食費等を考えるとさらに数万円かかります。入所の必要な方でも、入る施設がないと、これだけの費用をかけなければ在宅での生活はできません。
このような困難者が、即入居できるような緊急ショート、ベッドの確保を各施設負担ではなく、市町村で保証して準備しておけるような制度を切望します。

東南西北

飯 伊

第3回はやしの杜まつり

最後は全員で♪「信濃の国」

6月28日、約500人の参加で第3回はやしの杜まつりが開催されました。利用者さんの開催宣言と遊歩道完成テープカットで始まり、太鼓と獅子舞い、よさこいソーラン、小学生のダンスなどが披露されました。最後は全員で「信濃の国」を歌いました。たくさんの素敵な笑顔に出会いました。

長 野

ピザ作りに挑戦

気分はイタリアンレストラン?

7月初旬、徳間デイサービスたんぽぽでは、利用者さんとピザ作りに挑戦。生地からつくったピザはお店で買うより上手にできたのでは、というくらいのできばえ。建物は飲食店を改装したものなので雰囲気はイタリアンレストラン。いつもよりちょっとおしゃれなティータイムとなりました。

東 信

「反貧困ネット」医療生協報告・学習会

たくさんの職員が参加しよう!

7月9日、「反貧困ネット」医療生協報告・学習会に28人が参加しました。東信では6月から医療生協と労組で実行委員会を結成して取り組んできました。相談活動の報告後、「憲法25条と生活保護」の学習を行いました。相談会の様子に「まず、多くの職員が参加しよう」と確認しあいました。

上伊那

事務職員を対象に交流集会

事務職員10年後を語り合う

7月11日、事務職員を対象に交流集会が行われました。大石美行医師の講演では、目指した夢・民医連との関わり・「こうありたい」という信念について聞きました。グループワークでは10年後の上伊那医療生協を語り合い、そのためにどうすべきかたくさんの意見が交わされました。

諏 訪

小児科学習会

七夕とティラミス

7月10日、つるみね共立診療所のデイケアで「七夕祭り」を行いました。利用者さんに願い事を書いてもらい、飾りつけをしていただきました。その後、みんなでデザートにティラミスを作りました。その美味しさに舌鼓。楽しいひと時を過ごしました。

中 信

路地裏署名行動

元気に!路地裏署名行動

7月18日、塩尻協立病院では、介護保険改善と核兵器のない世界を訴え、1軒1軒訪ねる路地裏署名行動に職員29人が参加。最初は戸惑う方もいましたが、社会保障が削減されている状況を話し改善を訴えると、快く協力してくれました。現状に関心を持ってもらうためにも地道な活動が大事だと思いました。



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