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長野県民主医療機関連合会

アクセスマップ

〒390-0803
長野県松本市元町2-9-11
民医連会館2F
TEL.0263-36-1390
FAX.0263-33-1229

機関紙:長野県民医連

第232号 2009.09.25

きっとつくれる、核兵器のない世界 09年原水禁世界大会IN長崎

講座はワークショップ方式で。心配や悩みを黒板に書いていきます。終了後、「子育てについてまじめに考えるお母さん、お父さんたちがいるということを嬉しく思います」と講師の服部医師は語りました
講座はワークショップ方式で。心配や悩みを黒板に書いていきます。終了後、「子育てについてまじめに考えるお母さん、お父さんたちがいるということを嬉しく思います」と講師の服部医師は語りました

9月17日10時、飯田市鼎(かなえ)公民館3階に小さな子ども連れのお母さんたちが、続々と集まってきました。今日は、健和会病院小児科の「子育て講座」です。参加者は、お母さん18人とお父さんが2人。受付を済ませると会場隣の託児室へお子さんを預けて会場へ。その途端に泣き声の大合唱となった子ども達を、託児スタッフが優しくあやします。地域の子育てを応援して12年、さまざまな場面で講座の貫禄を感じました。
(取材・小林研一)

「一人で悩まない」って大事なこと

まずは受付
まずは受付

9月17日のテーマは、「子育てを楽しむ」。講師は精神科の服部美秀医師です。
まず3〜4人のグループに分かれ、子育てで気になること・困ること、逆に楽しいこと・わが子の良いところなどを出し合います。お母さん同士は、初対面でも意外なほど話が弾みます。次に、話し合ったことを黒板に書き、服部医師が一つひとつ解説していきます。
服部医師は、時おり自分(息子さん3人と娘さん3人のお父さん!)の子育てエピソードをユーモラスに紹介しながら、コミュニケーション心理学にもとづいた子どもとの付き合い方を語ります。
たとえば、「歯みがきをしない」という悩みには「無理に習慣づけるのではなく、歯みがきすることの意味を理解させましょう」、「テレビを見すぎる」という悩みには「その集中力を他のことにも活かしましょう」といった具合です。
参加したお母さん達は、「1人で子育てに悩まないって大事ですね」「他のおうちの子育てを知ることはとてもいいことだと思います」...と、笑顔で会場を後にしました。

試行錯誤の12年

原爆投下中心地に千羽鶴を捧げる長野からの参加者
託児があるので安心して参加できます

小児科看護師の塚田由紀子さんは、ずっと子育て講座に関わってきました。
「87年に待望の小児科医、和田浩先生が着任しました。診療を行う中で、診察時には十分に説明しきれないことを補ったり、孤立しがちなお母さんたちの仲間づくりが大切だと話し合い、96年に講座がスタートしました」
当初は院内で行い、職員が子守ボランティアをしました。「病棟に子どもの泣き声が響き渡っていましたねえ。婦長さんたちにもずいぶん支援してもらいました。おんぶしていたら『お孫さん?』ときかれたり、転倒した時、おぶった子をかばって足を骨折した事もありました。お母さん30人と子ども20人の時は、1人で5人の子守でこっちが泣きたいくらい。反対に台風や大雪で参加者がほとんどいなくて、講師の先生に申し訳ない回もありました」と振り返ります。
講座のタイトル、持ち方、広報など試行錯誤をしながら、98年からは月1回の開催を続けています。参加者が増えたり、託児は職員では限界となり、現在は会場を近くの公民館に移し、託児はNPO法人に委託しています。


薬よりも効果大

原爆投下中心地に千羽鶴を捧げる長野からの参加者

子育て講座の意義について和田浩医師は、「小児科のプライマリーケアの中で子育て支援は大きな比重を占めます。子どもの病気の多くは、薬などなくても自然治癒するものが多いのですが、お母さんは心配です。それに対し診察では十分に時間がとれません。そこで、ゆっくり話を聞くことができる子育て講座が大事になります。実際には、病気より子育ての悩みの方が多いですからね」
毎年「2歳児とのつきあい方」や「下の子が生まれたとき」は参加者が多いそうです。
「私が話すことは、実はお母さん達もわかっていることです。大切なのは、交流の中で『悩んでいるのは私だけじゃない』『自分はだめな母親じゃない』と、安心してもらうことです」


子育て講座は、保育士の研修会に看護師が招かれるなど、地域からの信頼を得ています。今後は、お母さんやお父さんと共同して子育てが楽しくなる地域づくりをめざします。(健和会病院の子育て講座については、10月4日に行われる「第12回長野県民医連看介護活動研究交流集会」で発表されます)

2009年度健和会病院子育て講座日程

期 日 内 容 講師の職種 講 師
2
0
0
9
5月20日(水) 子どもの心とことばの発達 言語聴覚士 知久万寿美
6月17日(水) Hib(ヒブ)って何? 予防接種について
☆新型インフルエンザの影響で12月16日に延期
小児科医師 南 希成
7月23日(木) 2才児との付き合い方
「いやっ」「だめっ」「自分で」自己主張が盛んな次期,親はイライラ,ハラハラ。付き合い方をお話します。
臨床心理士 山口直子
8月19日(水) 救急蘇生・救急処置
万が一の救急蘇生法や救急時の実技と対応をお話します。
小児科医師 南 希成
9月17日(木) 子育てを楽しむ
「コミュニケーション心理学」に基づいた子どもとの付き合い方,お母さんが元気にな
れるお話をします。
精神科医師 服部美秀
10月20日(火) 下の子が生まれたとき
兄弟を育て奮闘中のお母さんも,これから2人目を出産予定のお母さんも,気楽にお話
しませんか?
小児科医師 和田 浩
11月18日(水) 発達障害って何?
LD・ADHD・アスペルガー言葉は知っていてもよくわからない...を詳しくお話します。
言語聴覚士 小松純子
12月16日(水) Hib(ヒブ)って何?
予防接種について 昨年12月から日本でも乳幼児を髄膜炎から守るヒブワクチンが
導入されました。詳しくお話します。
小児科医師 南 希成
2
0
1
0
1月20日(水) 父親の子育て参加
ただいま子育て真っ最中の鷲見医師。お父さん方も参加して情報交換したりお話しし
ませんか?
内科・小児科医師 鷲見順教
2月18日(木) 子どものしつけ どこまでしかっていいの?
子育てのイライラ・ストレスでついつい...ってこと,誰もが体験していると思います。
みんなで気楽に話してみませんか?
臨床心理士 山口直子
3月16日(木) アトピー性皮膚炎について
アトピーについての情報が氾濫して混乱しています。詳しくお話しします。
小児科医師 和田 浩

選挙結果について

県連会長 熊谷嘉隆
今回の選挙によって生まれた変化が国民の未来を拓くものになるために・・・私たち民医連の役割


今回の選挙で民主党が大躍進しましたが、この大きな政治の変化を作りだしてきたきっかけは、実は民医連ではないかと私は密かに思っていました。皆さんもご存じのように、民医連が過去に行った幾つかの全国調査(高齢者生活実態調査・寒冷地在宅患者への生活影響調査・孤独死調査・後期高齢者医療制度の影響調査等々・・)にマスコミが注目して、民医連の発表をきっかけとして全国各地の具体的な事例が広く報道されました。そして世論が大きく動きました。報道された事例の多くは、民医連事業所が仲介をして紹介した事例です。私たち民医連は、行政が縦のラインで集める数値資料や推計資料より、はるかに正確で人間の息が感じられる生のデータを纏まとめてきました。共同組織や地域住民と一緒に活動している民医連だからできる仕事です。
このように国民生活の生の実態を把握している組織は、広い日本のなかでも、民医連以外にはないと私は思っています。可能性を秘めた優れた組織です。
今新しい政治が始まっているときに、私たち民医連は「官僚」よりも「新しい政治家」よりも、遥かに正確で国民の血の通った要求や資料を纏まとめ、発信できる力を持っていると思います。今年の民医連の秋の運動は、いつもの民医連の「月間」とは違います。日本の国の政治が動く「月間」になります。
仲間の皆さん、私たちの民医連の活動に確信を持って、秋の運動を広げ政治を動かしていきましょう。

諏訪共立病院で無料低額診療事業がはじまりました

諏訪共立病院では、9月1日から無料低額診療事業をはじめました。長野県では長野市の豊野病院に次いで2例目、県連でははじめてとなります。

テレビ放送にも大きな反響が
テレビ放送にも大きな反響が

8月26日、下諏訪町役場での記者会見後、ラジオや新聞、またはテレビで知ったと、行政・その他多数から「くわしい利用方法を教えてほしい」と問い合わせが毎日あります。
先日は「テレビを観ていて諏訪共立病院の無料低額診療を知った。体調が悪いが、医療費が心配で受診できなかった」と塩尻市の方から相談がありました。早速、受診してもらったところ、入院をしなければいけないほどの状況となっていました。生活相談と共に使える制度の検討手続き、そして無料低額診療の対象となるか、現在検討中です。

事業案内リーフも作成
事業案内リーフも作成

病院では、ホームレスの方、帰る家がなく1週間もの間近くの公園で生活していた方、派遣切りで仕事を失い10日間も食事をしていない状態でやっとの思いでソーシャルワーカーに連絡してきた方などが、無料低額診療の制度で入院しています。
だれもが安心して医療を受ける事ができ、真の意味で自立に向けた生活への再スタートがきれるような事業となるように、行政・関係機関・病院スタッフが共に力を合わせて取り組んでいきたいと思います。
(諏訪共立病院・SW 太田みちよ)


第33回全国肝疾患管理懇談会 in Nagano 開催近づく!

第33回全国肝疾患管理懇談会 in Nagano

「第33回全国腎疾患管理懇話会」が、10月30 ~ 31日、メトロポリタン長野で開催されます。主管は長野中央病院(中山一孝実行委員長)、200人規模で行われます。記念講演は東北労災病院副院長の赤井裕輝先生の「多角的強化療法による糖尿病腎症の寛解」。セミナーやシンポジウムでは松本の神應透析クリニックの神應裕先生、湘南鎌倉総合病院の小林修三先生、佐久総合病院の池添正哉先生などがお話しされます。長野県連内の透析関係者など演題発表も多数予定されています。


嚥下食の統一基準 嚥下食ピラミッドで安全な食事を提供

上伊那生協病院 管理栄養士 有賀 年江

嚥下食とは

きのこイラスト

嚥下機能が低下すると、食事の際に「食物の飲み込みが困難」になったり、「喉につかえる」「むせる」など、普通の食事を摂ることが困難になってきます。上手に食事をとれないことが原因で低栄養や脱水、誤嚥性肺炎や窒息の危険性も出てきます。それを防止するための食事が嚥下食です。

前の病院と食事が違う!?

ある時、当院に転院されてきた患者さんの家族から、「前の病院では、嚥下食でも形があって上にとろみがかけてあったのに、ここは違うのですね」という指摘がありました。
「嚥下食」という情報だったので、当院でも「嚥下食」を提供したところ、形態が違っていたわけです。どこの病院でも、患者さんの状態に合わせた食事の提供ができるように工夫されていますが、じつはその名称は統一されていません。
そんななか、統一されたレベルの食事提供をめざして生まれたのが、「嚥下食ピラミッド」(浜松大学健康プロデュース学部准教授提唱)です。これを参考に、当院の「嚥下食ピラミッド」を作成しました。

嚥下食ピラミッドとは

図1 嚥下食ピラミッド

嚥下食ピラミッドは、摂食、嚥下の難易度を階級で表します。
訓練食の開始は、重力だけでごっくん出来るレベル0。レベル0〜2は嚥下訓練食、レベル3は嚥下食、レベル4は介護食(咀嚼食)、レベル5は普通食です。(図1参照)

食事基準の統一を地域連携ですすめましょう

図2 当院の嚥下食ピラミッド

地域連携を目的として、当院の嚥下食ピラミッド(図2参照)を叩き台に、病院栄養士協議会伊那支部(17院所が所属)で学習会を行い、「施設別分類調査表」を作成しました。
9月には、県連栄養部門代表者会議でも同様に施設間の食事を嚥下食ピラミッドに組み入れる作業を行いました。
患者さんが、病院・施設・在宅など、どこにいても同じレベルの食事を提供できるように、地域、他職種にも「嚥下食ピラミッド」が普及することを願っています。


シリーズ発言 いのちを大切にする国へ(16)

塩尻協立病院 総看護師長 柴田 憲子

塩尻協立病院 総看護師長 柴田 憲子

塩尻協立病院は一般42床・療養57床の病院です。度重なる診療報酬の引き下げにより、厳しい経営状況が続いています。
療養病棟は、6月から20:1の入院基本料を取得しましたが、看護師確保が厳しい中、院内からの支援体制をとりながら、なんとか維持している状況です。吸引を必要とする患者は半数に及び、点滴や酸素吸入などの処置が増え、ベッドは固定化されてきています。また、入院患者のほとんどが病状や受け入れる家族の状況から在宅復帰はむずかしく、施設受け入れも困難なケースとなっています。
高齢者の長期入院患者を受け入れる療養病床の役割は、超高齢社会においてますます重要になってきています。それにもかかわらず、受け皿がない状態での療養病床削減や在宅復帰の国の政策は、あまりにも乱暴なやり方です。
7月に療養病床を廃止した松本市内の病院からの入院相談が5件ありましたが、受け入れできたのは1件でした。医療・介護難民は確実に生み出されます。高齢になり、病気になったら安心して生きていけない現実に胸が痛みます。そして高齢者を抱える家族の苦悩もはかりしれないものがあります。私自身の体験から痛感しています。
当院では高齢者の終末期医療を考える活動を細々とすすめています。「看取られる者・看取る者共々に、心残りや憂いがないこと、これでよかったと思える最期を迎えられるように援助すること」をめざしていきたいと考えています。
先の総選挙では国民を苦しめてきた自公政権が敗北し、国民の力で政権交代が実現するという歴史的な結果となりました。これからも運動を大きく広げ、社会保障費削減政策の撤回、介護保険制度の見直し、診療報酬大幅引き上げをさせましょう。


東南西北

東 信

認知症サポーター講座

認知症サポーター講座

8月29日、東信医療生協健康づくり委員会主催で第1回認知症サポーター養成講座を開催しました。約2時間、職員・組合員32人が学びました。参加者からは「認知症は地域全体の問題だとはじめて知りました」「今後もスキルアップ研修を開催してほしい」などの感想がよせられました。

上伊那

第8回はびろの里祭りひらかれる

第8回はびろの里祭りひらかれる

9月6日、創立10周年を迎えるはびろの里でまつりを開催し、800人の参加で大盛況でした。インフルエンザ対策で急遽設置した屋外ステージは、フラダンスやこども落語で笑顔いっぱい。療養棟にも歌や踊りを出張して、利用者さんに喜んでもらえました。

諏 訪

流しそうめんに歓声!

流しそうめんに歓声!

グループホームさくらでは、8月27日に流しそうめんを楽しみました。
当初は屋外で行う予定でしたが、日差しが強かったので、急遽室内へ場所を変更。机、脚立を利用して準備を終え、そうめんを流し始めると、一斉に拍手が...。笑い声の絶えない昼食になりました。

中 信

地域の期待にこたえて

地域の期待にこたえて

大町協立デイサービスセンターは、現在、脳卒中後遺症、大腿骨骨折、神経内科領域の利用者さんのニーズに応えています。
初日の利用者は2人でしたが、いまでは14人の定員がいっぱいになる日もあります。当初から心配されていたように、14人が利用されると手狭で、対応に苦慮しています。

飯 伊

反核署名活動はじまる

反核署名活動はじまる

健和会では、9月から毎月9日と25日に核廃絶署名活動を行っています。初日の9月9日には10人の職員が参加し、病院外来とスーパーキラヤ前で行い、80筆が集まりました。診察を受ける前に、「いつもお世話になっているから」と気軽に署名に応じてくれる方が多かったのが印象的でした。

長 野

"ふるさと"は平和の秋

老健ふるさとでは、9月3日に「平和のつどい」を行いました。利用者さんの戦争体験談、原水禁世界大会とぴーちゃり&ふーちゃり報告が行われました。
9月9日には、はじめての「9・9行動」を実施。利用者さんを含む約100人で150個の風船を飛ばしたところ、鹿沼市から返事が来ました。



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