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長野県民主医療機関連合会

アクセスマップ

〒390-0803
長野県松本市元町2-9-11
民医連会館2F
TEL.0263-36-1390
FAX.0263-33-1229

機関紙:長野県民医連

第261号 2012.05.25

介護保険制度・介護報酬改定緊急調査を実施 結果を持って行政と懇談しよう!

介護報酬が4月1日に改定されました。県連介護ウェーブ推進委員会は、「法案時点から懸念していた事業所や利用者への影響をただちに調査し、行政を動かす力にしよう」と、4月下旬~5月中旬に『介護保険改定・介護報酬改定緊急影響調査』を県連内の全ケアマネージャーと介護事業所を対象に実施しました。

利用者「入浴をあきらめた」
事業者「洗濯の途中で帰るわけにはいかない」

ケアマネの半数が「影響あり」と回答

ケアマネの半数が「影響あり」と回答

身体的負担増を強いられる介護者

調査は主に困難事例、介護事業所の経営や運営の影響についてたずねました。ケアマネジャーからは「生じている困難・問題点を具体的に」という欄いっぱいに記載された事例が、FAXやメールで続々と県連に寄せられました。回答した半数のケアマネが「改定による影響あり」と答えるなど、事態は予想以上に深刻です。

「生活援助」時間短縮で生活が成り立たない

特に目立ったのは、掃除や洗濯、買い物、調理などの援助をする「生活援助」が従来の「60分」から「45分」に短縮された影響でした。これまでの援助時間を維持して利用料金を増やすか、料金を変えずにサービス内容を削るかという改定内容です。
「86歳の独居女性は、これまでポータブルトイレの片づけや掃除、灯油の補給などをヘルパーさんにやってもらっていたが、このままだと利用料が増えるので、週2回利用していたデイケアを減らした。その分入浴できない」
「透析のため、食事療法が必要な68歳の男性。掃除や食器の片付けにかける時間を減らして調理時間を確保」
「91歳の独居女性。毎日訪問介護を利用し、洗濯など多面的な家事援助によって独居生活を維持してきたが、改定後1~2品は出来あいの惣菜を購入して時間短縮」をはじめ、57件の困難事例が集まりました。

身体的負担増を強いられる介護者

介護度5の両親を自宅で介護している娘さんは、「今までも認知症のため不穏で大変な時も自宅で介護してきました。年金で何とか払ってきましたが、これ以上は無理です。1日3回の排泄介助を減らして自分がやります」と決めました。「娘さんの身体的負担がさらに増える」と担当のケアマネジャーは心配します。
「お宅に訪問して、時間ですからと言って全自動洗濯機が止まる前に帰るわけには行かないですよ。こういう制度を作る人は介護の現場を本当に知らないんだと思いますね」。県連のヘルパーステーションサービス提供責任者会議で集まったヘルパーの怒りは収まりません。

区分見直しの不具合の割合

85%のデイサービスで「経営に影響あり」

通所サービスでも提供時間の区分見直しにより、回答事業所の85%に影響が生じています。(グラフ「見直しによる不具合は何ですか?」参照)
県連介護ウェーブ推進委員会(山本真吾委員長)では、さらに民医連以外の介護事業所にもアンケートを依頼し、具体的事例を積み上げて自治体に向けた運動を進める計画です。

緊急 国会で増税の動き!

消費税は地域医療にも大きな影響 中信勤労者医療協会・三村功専務理事に聞きました。

病院や診療所などは、日々の診療に使う医薬品や医療材料の購入に加え、機器やシステムを更新すると、それだけで数千万から億単位の費用が必要です。それには消費税がかかりますが、保険診療に消費税はかかりません。つまり、病院などは消費税を受け取れない一方で、消費税を支払っているのです。
当協会が支払う消費税額は、年間約1億2千万円になります。納税後の利益は年間数千万円で、消費税率が10%に上がると、黒字の維持がむずかしくなる計算です。経営がおぼつかなくなれば、採算が厳しい部門から撤退する病院が出るなどして、地域に必要な医療を提供する体制がゆがみかねません。また、家計の苦しさから受診を控える患者さんが増え、医療から足が遠のくこともたいへん心配です。


地域医療・介護、社会保障を守る 県民共同の架け橋に 第30回県連定期総会

長野県民医連は4月28日、松本市内で第30回定期総会を開き、県連第6次長期計画策定以来の2年間の活動をふりかえり、今後の運動方針と予算を159人の代議員の全員一致で決定、あわせて新役員を選出しました。
熊谷嘉隆会長のあいさつに次いで、運動方針案の提案を行った岩須靖弘事務局長は、「震災支援での活躍、県下各地での民医連らしい医療・介護ネットワークの発展、共同組織の目標達成、原発ゼロめざす運動の広がり、後継者対策の前進などに確信を持ち、民医連運動のさらなる高みをめざそう」と呼びかけました。
討論では、無料低額診療事業など貧困の広がりに対して県民の受療権を守る懸命なとりくみ、患者・利用者の願いに寄り添う多彩な医療・介護活動、医師や看護師の確保と養成、青年職員の育成の活動などが活発に語られ交流されました。

熊谷嘉隆県連会長あいさつ(要旨)

熊谷嘉隆県連会長あいさつ

4つの事を述べます。第一は情勢の問題です。
野田民主党政権は自民党政権以上に新自由主義的です。経済、食糧、エネルギー、国土の保全、社会保障、平和や基地のどの分野の問題でも国民の利益に相反する政策をすすめており、亡国の政権とも言えます。
今日の情勢のもとで民医連の理念と役割はよりいっそう鮮明です。
昨年3月11日、東日本大震災がおこりました。全国で復興支援の活動が取り組まれ、支援に赴いたのは大多数が若い職員でした。民医連の精神である「よりそう医療、介護」「絆」。この理念が若い職員を奮い立たせています。民医連綱領のもつ力とこの組織の行動力に感動しています。
民医連組織の特長を2つ挙げるなら、「高い人権感覚」「共同組織と共に」です。言い換えれば、他人の権利や地域の問題を自分の問題として、自らの自己実現の課題と同じに考える組織だということです。震災により社会保障の弱点があらわになりました。私たちは福祉国家を築くために、穴だらけの社会保障制度をたたかいの中で変えていきましょう。
2つめは「住み続けられる街づくり」の課題です。団塊の世代が65歳を迎える2025年にむけての施策の1つが今回4月の医療と介護の同時改定です。その特徴は、地域の医療と介護を急性期医療と在宅介護の2つに絞り込むことです。
この20年間で高齢者夫婦世帯・高齢者1人世帯は2.5~2.7倍に増え、「家庭の介護力」には期待できません。政府は療養病床をはじめ地域の老健や特養の建設を抑制し、高齢者の療養場所を在宅だけに集約しようとしています。このことは必ず大きな矛盾を引き起こします。
これに対して、私たちは総合的な事業展開や連携についての検討が必要です。それぞれの専門性を生かして知恵を出し合い、政府や自治体に対して要望を出し、「住み続けられる地域」をつくりあげていきましょう。
3つめに脱原発の問題です。原発の導入はアメリカの圧力のもとですすめられました。労働力が都市に一極集中され、一方で危険な原子力発電所は地方に造られ、電力を供給してきました。戦後の産業構造と都市への一局集中の政策を一体に考えて転換する必要があります。エネルギーの地産地消の観点で地域づくりを考えなければなりません。再稼働させない世論を今、急速に強める必要があります。原発の危険性を知らせ、原発がなくても安全で自然豊かな生活が可能だということを、長野県から発信していくことが必要です。
最後に、長野県民医連の弱点の克服についてです。重要な課題は人づくり、その中でも医師養成です。現在、長野県の医学部奨学生数は全国でもトップレベルですが、その後も県連の医師として働いていただけるかどうかが重要な課題です。高校生対策を強めること、信州大学の医学生に対する働きかけを強めることが必要です。研修病院では今までの経験にとらわれず、研修内容について自己点検と討論が必要です。そのため、県連の中で中堅医師の役割が発揮できるしくみが必要です。
もうひとつの育成の課題はリハビリ・介護・透析などの分野です。大きな職員集団ですが、平均年齢が若く民医連経験が浅い集団です。民医連職員としての成長をはかることが重要な課題です。

《県連第30回定期総会スローガン》
  • 憲法と綱領の立場から住民本位の震災復興を支援し、構造改革政治に対抗する福祉の国づくりめざして県民共同の運動の架け橋になろう
  • 地域要求を基礎に、患者・利用者・共同組織の人々に責任を持つ民医連の総合的医療・介護ネットワークを維持・発展させ、まちづくりをすすめよう
  • 140人の医師集団、14万4千の共同組織、安定した経営を実現し、民医連運動のにない手の養成、次代の幹部育成を成功させ組織を強化しよう

2分で読めるミニ学習

消費税増税グラフ

東日本大震災の悲劇に乗じ、国民不在で大事なことが進められるなか、「このままでいいのか、本当のことが知りたい」という声があがっています。マスコミが伝えない事、民医連職員として欠かせない知識などを学ぶミニ学習コーナーを設けました。知りたいテーマをお寄せください。

消費税増税は仕方ない?

社会保障を充実させるためには財源が必要ですよね。そうなると消費税の増税もやむをえないのではないでしょうか?

社会保障の財源は、おもにみなさんの毎月の給与から天引きされる保険料と税金で成り立っています。この財源=保険料と税金をどのような原則で徴収していくのかが大切です。
全日本民医連は、所得に応じた「応能負担」の原則で徴収すべきと考えています。格差社会の激化により、国民や企業の所得には高低があるので、年収が1億円を超えるような高額所得者と大企業は、「応分の負担」により、社会保障の財源を多く負担すべきです。 政府の赤字財政のおもな要因は、「国民の所得が減ったことによる所得税の低減化」と「法人税減税」、「金融資産の優遇税制によって、税収が減った」ことです(グラフ参照)。
税金と保険料の徴収方法を、1988年以前の水準に戻せば、消費税を増税しなくても当面の社会保障財源は確保できます。消費税増税は必要ありません。
非正規労働者が増え、経済が冷え込んで税収が減っているこの時期に行う消費税増税は、さらなる経済の悪化を招くことは明らかです。
(回答:長野県社保協事務局長 湯浅健夫)


協立福祉会 塩尻高齢者介護福祉施設 オープン

介護型有料老人ホームみずほの里・小規模多機能型居宅介護施設おひさま・デイサービスセンターはなみずきがオープン

施設全景
施設全景
小口市長があいさつ
小口市長があいさつ

塩尻高齢者介護福祉施設が4月29日に竣工式を迎えました。「みずほの里」( 定員40 人)「おひさま」( 定員25 人)「はなみずき」の3事業が入る複合型事業所です。
「おひさま」は塩尻市地域密着事業でもあり、竣工式には小口市長、市議会副議長も来賓として出席していただきました。式典に先立つ内覧会では「窓からの穂高岳の景色も良く、木の温かさと庶民的な好感のもてる施設ができた」と多くの皆さんの声をいただきました。
利用者さんや地域の皆さんに親しまれる施設となるよう、職員一同力を合わせていきます。
(施設長・小澤 恵美子)

東南西北

上伊那

老健はびろの里でコンサート

老健はびろの里でコンサート

4月21日、愛知の医療系バンド"ハートフル・ホスピタル"のボランティアライブを開催。利用者さんも含め70人が参加しました。ボーカルは医師と看護師で、医療現場のリアルな想いを込めた歌に、目を真っ赤にして聞き入る方、腕を大きく上げて手拍子を取る方など、とてもあたたかいコンサートとなりました。

諏 訪

在宅を強力に支援!

在宅を強力に支援!

南信勤医協は、4月1日付で諏訪共立病院とつるみね共立診療所の「連携型」で、在宅療養支援病院および在宅療養支援診療所の届けを出しました。つるみね診はこれまでも在支診でしたが、「強化型」の在支病と在支診となります。一般病棟や訪問看護ステーションなどとの連携をさらに強め、在宅医療・介護を支援します。

中 信

松本協立病院でお花見会

松本協立病院でお花見会

4月17日、お花見会が開催されました。患者さん約50人の参加でした。当日はあいにくの天気で院内での開催になりましたが、生アルパの演奏や、富士山体操などで患者さんと交流をしました。最後には毎年恒例の新入職員による花笠音頭を披露しました。うれしいアンコールもあり、会場は笑顔で満開になりました。

飯 伊

内容盛りだくさん!かやの木診療所祭り

内容盛りだくさん!かやの木診療所祭り

5月12日、第17回かやの木診療所祭りが開催され、約200人が参加しました。地域のみなさんの屋台・バザー、職員もメンバーのフラメンコ・太鼓演奏、さらには中村所長はじめ診療所スタッフによる「消費税」演劇など、内容は盛りだくさん。ステージ企画後半では立ち見も出るほどの盛況ぶりでした。

長 野

新人歓迎会で組体操!?

新人歓迎会で組体操!?

4月24日、ホテル犀北館で長野医療生協新人職員歓迎会が開かれました。約240人の職員が参加し、新人職員の出し物やビンゴ大会などで大いに盛り上がりました。「自己紹介を含めること」を条件とした新入職員の出し物では、アクロバットや組体操をしながらの自己紹介など、記憶に残る会となりました。

東 信

糖尿病患者会でお花見

糖尿病患者会でお花見

4月21日、上田城址公園の満開の桜の下で、恒例の糖尿病患者会(たろう会)のお花見が行われました。おいしい漬物やお団子の差し入れもあります。参加者は病気と上手に付き合っている人ばかりなので、この日は食事のことはあれこれ言わずに楽しみます。でも、お弁当はきちんと調整して召し上がっています。さすが!


長野県連の事業所は現在100を超えています。「どこにどういう仲間がいるの?」「大切にしていることを知りたい」という声から、事業所を紹介する新コーナーが出発します。

東信 通所介護施設 悠々倶楽部かみしな

趣のある民家を改修
趣のある民家を改修

2011年4月の開所時は利用者が1日に1~2人。スタッフとボランティアの方が多いほどでした。しかし、現在は定員いっぱいで、秋からは黒字になりました。スタッフは9人。毎日4.5人の勤務です。心掛けていることは「利用者本位」。日課はありますが、あくまでも利用者さんがやりたいことをして過ごせるようにしています。
お花見の写真を利用者さんに見せて「だれが楽しそう?」と聞くと、スタッフを指差します。スタッフが楽しそうに働いているので、利用者さんも安心できるようです。
施設では組合員さんがボランティアで大活躍。5月のカレンダーは日替わりでボランティアさんの名前が書き込まれていました。
(取材・北村範子)

橋爪美由起所長(右から3人目)とスタッフ、ボランティアさん
橋爪美由起所長(右から3人目)とスタッフ、ボランティアさん
  • 所在地
  • 〒386-0001 上田市上田1279-3
  • 連絡先
  • TEL.0268-22-5445
    FAX.0268-75-8629
  • 事業内容
  • 通所介護施設(定員14人・登録者48人)平均介護度2.1

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