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長野県民主医療機関連合会

アクセスマップ

〒390-0803
長野県松本市元町2-9-11
民医連会館2F
TEL.0263-36-1390
FAX.0263-33-1229

機関紙:長野県民医連

第265号 2012.09.25

地域から医・食・住・環境の再生をめざすシンポジウム

地域から医・食・住・環境の再生をめざすシンポジウムチラシ

10月7日に"地域から「医・食・住・環境」の再生をめざすシンポジウム"が長野市で行われます(前日企画は6日夕方)。 これは、全日本民医連「いのち」を守る共同行動推進本部が主催し、長野県連が共催するもの。「山国から、海から"いのちが大事"の声がわきおこり、そしてつながりはじめている。民医連が"いのち"をキーワードに巾広い問題を考えるシンポジウムを企画した。...多くの人が別々に見える課題がつながっていることを意識し、巾広い共同を求めている」(長野県地域住民大学ニュース)と紹介され、再生をめざす分野に関わる人びととの積極的な対話も期待されています。

さまざまな運動で「架け橋」の役割を果たす長野県連でまず一歩を

ーー全日本民医連・長瀬文雄事務局長に聞く【聞き手・岩須靖弘県連事務局長】
全日本民医連・長瀬文雄事務局長

岩須 全日本民医連が、「地域からいのちを守る共同行動をすすめよう」と全国に呼びかけました。

長瀬 今、原発問題でも、消費税増税やTPP問題、オスプレイ配備問題でも、政治と民意とがあまりにもかけ離れています。こうしたなか、それぞれの要求でかつてない規模で国民がたちあがっています。今こそ日本の各地域で、いろいろな運動が合流し、全体として、いのち、暮らし、健康を守り、そのための「安心して住み続けられるまちづくり」を発展させることが必要です。

岩須 今回のシンポジウムは、全国の運動の皮切り、典型づくりにしようと長野市で開催されます。

長瀬 長野県は、憲法9条の会、県知事選挙、脱原発、TPP反対の運動や反貧困ネットワークなど幅広い県民的連帯がすすんでいる有数の県です。長野県民医連はこれまで、積極的に架け橋の役割を果たしてきています。全日本民医連として、まず長野でとお願いしたのはそのためです。

岩須 大事なことは、反対運動だけでなく、どうやって「いのち」が大切にされる社会を共同してつくっていくかですね。

長瀬 地域医療・福祉体制、安全な食、雇用と産業の再生、自然エネルギーの推進など、健康権に関わって、いわゆる地域循環型の社会をめざすことが求められます。すでに長野ではすぐれた実践が各方面ですすんでいます。民医連職員が共同組織の方々とともに大いに学びあい視野を広げ、活動を発展させていきたいと思います。力をあわせてシンポジウムを成功させましょう。

対話と賛同がひろがっています

協会会長、高橋惠美子同専務理事。奥左から、宗田まゆ美県連看介護部長、窪倉みさ江全日本副会長、遠藤隆全日本事務局次長
協会会長、高橋惠美子同専務理事。奥左から、宗田まゆ美県連看介護部長、窪倉みさ江全日本副会長、遠藤隆全日本事務局次長

「こちらからは壁をつくらない」(岩須県連事務局長)と、医師会、長野県生活協同組合連合会をはじめ、60を超える県的団体を対象にした訪問行動には県連理事と全日本民医連常駐理事が参加。「本来私たちがやるべき企画ですね」(JA長野中央会部長)、「大変素晴らしい企画なので、労組にも参加を呼びかけます」(厚生連理事長)など歓迎され、加藤さゆり副知事との懇談では「こういう催しはいいですね」と対話がはずみました。また自治体など500通以上の案内を発送し、各地域連絡会でもつながりを活かした訪問が始まっています。

日時 2012年10月7日(日) 13:00〜16:30(12:00受付) 会場 アクティーホール(JA長野県ビル) 参加費無料 シンポジスト

♦住民自治のまちづくり

高橋彦芳さん(栄村前村長)

「実践的住民自治」をモットーに、住民の知恵に依拠し、住民参加型のまちづくりの先頭に立ってこられました。

♦私の医師人生とTPP

市川英彦さん(鹿教湯病院名誉院長)

佐久総合病院を経て現在鹿教湯で地域医療にとりくまれています。国民皆保険と地域医療を守る立場からTPP反対の運動でもご活躍です。

農業再生で地域を支える
反貧困・暮らしと雇用を守る 上小ネットワークの活動から

♦農業再生で地域を支える

小原恒敏さん(農事組合法人「北の原」代表理事)

駒ヶ根市の住民が集落ぐるみの共同で水稲、麦、ねぎなどの栽培を行っています。環境に優しい農業の再生や子ども向け野菜つくり教室なども行い、まちおこしにつなげています。

♦反貧困・暮らしと雇用を守る 上小ネットワークの活動から

久保木匡介さん(長野大学准教授)

反貧困・暮らしと雇用を守る上小ネットワークの共同代表として、上田地域での反貧困運動の中心的役割を果たされています。

♦創エネと省エネで循環型社会を

蓬田裕一さん(おひさま進歩エネルギー株式会社)

飯田市で、エネルギーを節約し、太陽と光と熱を生かして自然エネルギーを創り出す多彩な実践をされてきました。

♦地域の医療・介護ネットワークで住民のいのちと健康を守る

熊谷嘉隆さん(長野県民医連会長、健和会理事長)

地域の医療・介護状況の継続的な分析にもとづく住民本位の事業展開は、医師などの後継者養成とともに全国的に注目されています。

前日企画
  • 10月6日(土)18:30〜20:00
  • ホテルメトロポリタン長野
  • 講演:田中勝己木曽町町長
  • 「信州木曽での住民の知恵とアイディアいっぱいのまちづくり」

共同組織の存在意義を確認できる取り組みを意識しましょう!

共共同組織拡大・強化月間にあたって 長野県民医連共同組織委員長・林 憲治

地域訪問前の打ち合わせ(諏訪共立病院)
地域訪問前の打ち合わせ(諏訪共立病院)

原発事故の収束も見えず、餓死や孤立死があとをたたない深刻な事態が全国で広がるなかで、国政ではさらに国民のいのちを犠牲にする重要問題がかつてない早さで国会を通過しています。一方で変革を求める国民の運動も急速に大きく広がっています。
今年度の「月間」はこうした歴史的な情勢のもとで、「重要課題で闘いつつ、地域で安心して住み続けられるまちづくりの具体化を一歩進める月間」と位置づけられました。
長野県民医連は第6次長期計画の中で「15万人の共同組織をつくりあげ、社会保障の拡充をめざし、民主的自治体を拡大する」こと、「各地域で戦略と方針を明確にして追求していく」ことを確認しました。
特に今期の総会では「量的発展のみならず、共同組織の地域における主体的担い手、いわゆる活動家を増やす事をはじめとする質的に強化する」ことが強調されています。
これまでも「月間」は、方針を具体的に集中して取り組み、前進を図るものとして成果を上げてきましたが、今期は特に共同組織のみなさんと一緒に地域に出て、会員のみなさん、地域のみなさんと生活や要望について語り合いましょう。共同組織の存在意義を確認できる取り組みを意識しましょう。


9/9風船飛ばし&久保田貢先生の講演会で学ぶ

中信地域連絡会 須坂市からも届きましたよ

脱原発・再稼動反対の大行進

9月9日9時9分、「憲法9条を守り広げよう!」と松本協立病院駐車場に90人近い職員、職員家族が集まり、400個余りのメッセージ付き風船を飛ばしました。その日の午後には須坂市から「風船が届きました。とても良い取り組みですね」と病院に電話があり、「平和への思いがつながった」と実感しました。
その後行われた愛知県立大学の久保田貢先生の講演は、1時間半があっという間でした。「3.11、原発、憲法、安保」についてと幅広い分野でしたが、「わかりやすかった」「もっと聞きたい」「今後の運動につなげたい」という感想があいつぎました。
問題は山積みでも、力を合わせれば変わるかもしれません。みなさんも一緒に考え、行動していきましょう。
(松本協立病院 黒川 梨絵)

「オスプレイ配備に反対する沖縄県民集会」に10万1000人!

日米政府にレッドカード 松本協立病院 医事課 柳沢 卓 長野県連からは5人が参加

9月9日、沖縄県宜野湾市でオスプレイ配備に反対する沖縄県民大会が開かれ10万1000人もが参加しました。県内配備を推進する日米両政府に「レッドカード」を突き付けるため、参加者はシンボルカラーである「赤」のシャツや帽子、タオルなどを身に着け、会場は赤一色に染められました。
沖縄国際大学の学生は、壇上で「どうして配備するのか、どうして政府は断れないのか、墜落したら誰が責任を取るのか、配備は沖縄差別ではないか、沖縄の人びとの声は無視され続けている」と怒りました。
日本政府は安全性を強調するばかりで、現実の危険に目を背けています。オスプレイ配備計画を隠し続け、墜落が続いても米国が安全だと言えば形だけの調査で終わっています。さまざまな発言者の話を聞き、そもそも沖縄の人びとの思いは「安全性」よりも、「配備反対、基地撤去」であるのだと改めて思いました。また、人で埋め尽くされた会場をみて、大会は県民総意だと実感しました。
今回の集会をスタート地点とし、これからは沖縄だけの問題ではなく日本全体の問題として考えていくべきです。基地問題では県民大会がこれまで何度開かれても、問題解決に結びついていません。本土にはまだ無関心な人びとが多いと思います。医療と同じくらい平和を考えている民医連が先頭に立って全国的な闘いを広げ、これまで以上に運動を盛り上げていきたいと思いました。

東南西北

中 信

塩尻協立病院公開講座開催

塩尻協立病院公開講座開催

8月22日、職員・友の会員50人が参加して、ライフデザインセンター久島和子さんの「老い支度と成年後見人制度」についての講演をお聴きしました。生前準備として、財産管理や生活のマネジメントを任せる後見人を決めておく事、社会的支援制度を自ら学び上手に活用していくことの大切さを学びました。

飯 伊

節目の年の健康まつり、大盛況

節目の年の健康まつり、大盛況

9月16日、健和会病院で第30回健和会健康まつりが行われ、1095人が来場しました。今回のテーマは「健康づくりをすすめ、核兵器も原発もない新しい福祉社会をつくろう」です。30回を記念した上方落語「こんな日本に誰がした」(桂福車師匠)や、原発パネル展(森住卓さんの写真)も大好評でした。

東 信

原水禁報告会を開催

原水禁報告会を開催

9月10日、原水爆禁止世界大会報告会を上田生協診療所で開催し、20人が参加しました。
世界大会に参加して学んだことや感じたことを発表し、集まった人たちでの意見交換もしました。報告の後は、平和や社会に関する3択クイズをしたり、「青い空は」を歌ったりして、今後につながる楽しい交流になりました。

上伊那

第11回老健はびろの里まつり開かれる

第11回老健はびろの里まつり開かれる

9月2日、約600人が参加。地元シンガーのえびはらよしえさんの「さよなら原発コンサート」、NPO法人「チェルノブイリ救援・中部」原富雄さんの講演を行いました。震災バザーでは山元町の仮設住宅のお母さん達手作りの「イチゴのエコたわし」を販売。原発に頼らないエネルギーのあり方を学び、運動を続けたいと思います。

長 野

後世に伝える責任を感じた

後世に伝える責任を感じた

8月28日、原水爆禁止世界大会参加報告会が行われ、代表で大会に参加した8人が報告を行いました。長野中央介護センターつるがから参加した小林未佳さんが「後世に伝える責任を感じ、平和について考える良い機会でした」と述べるなど、参加者のリアルな受け止め方が感じられた、充実した内容の報告でした。

諏 訪

平和メッセージをつけて

平和メッセージをつけて

今年も「9・9平和行動」を行いました。院内平和委員・社保委員が中心となり、朝8時に風船を膨らましはじめ、職員が書いた平和メッセージを付けました。集会には職員など40人が集まり、9時9分に一斉に150個の風船を飛ばしました。平和と脱原発アピール、そして憲法9条が守り続けられるように祈りながら。


長野県連の団結とパワーを支える 部会紹介(2)医活部その2

管轄する委員会
医療安全、環境問題、働くものの健康問題、倫理、診療所、学術運動交流集会実行委員会、臨床指標標

今期、医活部では「医療の質の向上・公開推進事業(QI)」を重点に、すべての職場で医療の質の指標を具体的な数値として職場目標にすることを課題にしています。
この取り組みは2011年度に全日本民医連の呼び掛けに応えて4病院(長野中央、松本協立、諏訪共立、健和会)が参加することでスタートしました。2012年度は上伊那生協も参加して5病院で取り組んでいます。
指標の測定に取り組み、院内で結果を共有することにより、転倒転落率改善のためアセスメントシートを見直すなど業務改善につながった例などが報告されています。
また、職業歴の記載率も測定項目になっています。現在問題になっている特定の職業と胆管がんの関係についても、職業歴の記載があれば関係解明に役立つことができる重要な指標です。
指標は測定し提出して、他院と比べて終わりではなく、それぞれが自分の職場の、仕事の質を測定できる指標を見つけ、設定できること、そしてその改善のための工夫を職場で考える活動が出来るようになることが重要です。県連全体では診療所での取り組み、独自指標などにも挑戦していきます。
(県連事務局次長・宮澤 洋子)

地域で働く仲間の代弁者であれ

南信勤医協・ひまわり企画合同で事務部集会開かれる

元全日本民医連副会長の清水洋さん

8月25日、ほぼ全員の事務職員が参加して事務部集会を開催しました。集会では、元全日本民医連副会長の清水洋さん(写真左)の講演と分散討論を行いました。
清水さんには、民医連での経験やそこから学んだことなどを話していただきました。分散会討論では、県連事務職員養成の基本指針を討議しました。5年後、10年後、自分が民医連の事務として、どうしたいのかを考えさせられる機会を得ることができた集会でした。
事務職員一同、清水さんが講演のなかで語ってくれた〝事務は地域で働く仲間の代弁者であれ〟を目標にがんばっていきます。
(諏訪共立病院 医事課・川上 慶太)

南信勤医協・ひまわり企画合同で事務部集会

下肢静脈瘤血管内レーザー治療

下肢静脈瘤血管内レーザー治療

下肢静脈瘤は、血管が瘤のように浮き出てしまう病気で、悩んでいる患者さんが多くいます。これまでは、静脈瘤が比較的大きく大伏在静脈由来のものは、外科治療としてストリッピング手術を行っていました。この方法は非常に有効ですが、少なくとも皮膚を2か所切開しなければならず、3〜4日程の入院が必要でした。
2011年9月から下肢静脈瘤血管内レーザー治療が保険適用になりました。大腿部の大伏在静脈は内側からレーザー照射することで血栓閉塞させます。レーザーで直接治療できる部位は膝から上ですが、膝から下の静脈瘤にも、レーザー照射後、皮膚に2mm程の穴をあけ、静脈瘤を切除します。静脈瘤の原因である大伏在静脈がレーザー治療されているので瘤部分切除のみで大丈夫です。
手術終了後は弾性包帯で下肢を圧迫し、翌日弾性ストッキングに履き替えて退院となります。負担や入院期間が減り、非常に喜ばれています。
(長野中央病院心臓血管外科・医師 松村 祐)

看護学生が自ら学びレポートを作成

第3回北関東甲信越NEF 【8月17・18日 埼玉県】

交流会
交流会
つるがの風を見学
つるがの風を見学

第3回北関東甲信越NEFは学生91人職員36人の参加で開かれました。昨年は震災の影響で開催されず、2年ぶりでした。20人の看護奨学生(うち長野県は5人)が実行委員となり企画運営しました。
1日目は相野谷安孝氏の学習講演。お金がないため病院にかかれない実態や、貧困・自殺といった学校では学べない日本の現状を学び、ショックをうけた学生もいました。夜はグループ対抗の交流会で、グーンと距離が縮まりました。
2日目は県別レポート発表です。他県の発表は「音楽療法」「交通弱者」「差額ベット」「救急車の受け入れ」でした。
長野県のレポートは「回想法」で、4月の学生会議でテーマを決め、南信からの奨学生も参加して、長野中央介護センター高齢者住宅つるがの風を見学して、まとめました。準備期間中は学校の試験があったり、実習が始まったりと忙しい中をやりくりして集まり、レポートを仕上げました。学生は現地で行われる実行委員会の宿舎や移動の新幹線でも試験勉強をしながら頑張っていました。
NEFの魅力は参加した学生自身が主役になり、楽しく交流できること、企画を通じて民医連看護を学ぶこと、今年も大成功でした。
(長野中央病院看護学生担当・水井 千加子)
*NEF=Nurse・Egg・ Festival

2分で読めるミニ学習

看護師特定能力認証制度とはなんですか?

『特定の医療行為』を医師にかわって看護師に担わせる為、その能力がある看護師を「特定看護師」として国が認証する制度です。『特定行為』には、例えば経口・経鼻挿管実施などが検討されています。どんな制度になるのか国民や患者にも、当事者である看護職にもほとんど知らされないまま、実施の準備がされています。


なぜ、民医連は反対しているのですか?

資格問題では准看制度も未解決のまま、新たな差別化がもちこまれます。『特定行為』は苦痛を伴うばかりでなく、侵襲性が高く、高度に危険な医行為が検討されています。
「療養上の世話」は患者さんの治癒力を引き出す生活行動面の援助として看護師の誇りにつながっています。多様な業務の集中で今でも日常の生活援助が不十分な中、「診療の補助」業務が拡大し、看護師の仕事の達成感がさらに奪われ離職につながる危険性が高くなることが懸念されます。
(県連看介護部長 宗田まゆ美)


*侵襲性=外科手術などによって人体を切開したり、人体の一部を切除する行為や薬剤の投与によって生体内になんらかの変化をもたらす行為などを指す。

長野県連 ぐるっと事業所めぐり4

長野 徳間デイサービスたんぽぽ
長野 徳間デイサービスたんぽぽ

長野 徳間デイサービスたんぽぽ

長野医療生協ではじめて通所介護単独の事業所として生まれた「徳間デイサービスたんぽぽ」は5年目を迎えています。
小規模デイのたんぽぽがめざすところは、利用者さんそれぞれが1日の中に主役になれる一瞬が持てるそんな時間を演出すること。小さいからこその関係性の密度、利用者さん同士のコミュニティーです。
飲食店の改築でできたロッジ風の店内はスポットライトの照明と木のぬくもりが、ムーディーな雰囲気をかもしながら今日も優しい時間が過ぎていきます。
(所長・左治木 晃)

  • 所在地
  • 〒381-0081 長野市徳間1-11-5
  • 連絡先
  • TEL.026-239-6191
    Fax.026-239-06190
  • 事業内容
  • 小規模通所介護/介護予防通所介護
  • 定員
  • 定員は月〜金(5〜7時間)15人と
    土曜(3〜5時間)10人

福島の仲間たちを忘れない 看護師支援で知ったこと、感じたこと

松本協立病院・看護師 坪田由佳 前列左から2人目が私。前列左から4人目までが支援の看護師と薬剤師。 後ろの2人が持っているのは松本協立病院から持っていった連帯のタペストリー

福島市渡利町の医療生協わたり病院(以下、病院)へ8月1〜8日支援に行ってきました。病院は4病棟196床で松本協立病院と同じくらいの規模の病院でした。医師の退職や休暇で入院制限をしていたこともあり、空床が目立ちました。看護スタッフは、退職がありながらも不足している状況はないようでした。

いまも続く高放射線量

病院は、福島第一原発から60km離れていますが、原発事故当時、風向きなどで20μSV/h以上の高い放射線量が測定されました。現在は0.6〜0.8μSV/hに落ち着いてきていますが、高い線量が続いています。行政による除染作業もなかなか進まず、他県へ移住する方もいるそうです。とくに、小さい子どものいる職員の退職者が何人かいるようです。

色が濃いほど被曝量が多い
色が濃いほど被曝量が多い
大変だったのは透析患者の受け入れ

震災直後の院内は、書籍の落下などはありましたが、幸い患者さん・職員に怪我人はありませんでした。地域は停電、断水しましたが、病院は自家発電のため停電せず、水も4年前に掘った地下水を利用しました。支援物資等もあり食が細くなることもなかったようです。
一番大変だったのは、避難地域の透析患者さんの受け入れです。約50人の透析患者さんを受け入れ、患者さんからの情報を元に透析をまわしていたそうです。また、透析患者専用避難所として病院所有の民家を開放し、生活の場を保証するなどの対応をしたそうです。

原発事故後の変化
浪江町請戸の現在の状況
浪江町請戸の現在の状況

看護スタッフに「震災原発事故後変わったことは何か」と聞くと、福島は農業や漁業が盛んだったが、福島産の野菜や魚がスーパーでほとんど見られないこと、子どもがいる家庭は時間を決めて外で遊ばせていることなどでした。
院内では、放射線技師による食品の放射能測定を実施しており、家で作った野菜の測定値が基準値以下であっても、大人は食べても子どもには心配で食べさせることができないとのことでした。しかし、スーパーに行けば食材は買えるし、生活が大きく変わったということはなく、ほぼ今まで通りの生活ができているとのことでした。

仮設住宅にて

病院は仮設住宅への支援として、毎月健康チェックやお茶会を行っていて、私も参加しました。
私が出かけた仮設住宅には、浪江町(DASH村があったところ)という原発から20km圏内の人たちが住んでいました。津波で家も流されてしまった人もいました。津波と放射能汚染という2重の被害を受けた人が多くいることも知りました。
福島で今までと変わらない生活をしている人がいる一方、仮設住宅での生活を強いられ、家に帰ることはもうできないだろうと諦めている人が大勢いることを目の当たりにしました。
仮設住宅には集会場が設けられていて、交流の場として多く活用されています。しかし、集会場に来るのは高齢の女性ばかりで、若い人や男性は閉じこもりの人も多くいると聞き、仮設住宅の問題も知りました。

仮設住宅での健康チェック
仮設住宅での健康チェック

今回の支援で私にできたことはほんのお手伝い程度でした。しかし、現地のみなさんと話をして、知らなかったことをたくさん知り、貴重な経験をしました。私のほかにも岐阜のみどり病院、北海道の一条通病院、神奈川の戸塚病院から1人ずつ看護師が派遣されていましたが、支援の目的は、即戦力というよりは、福島で働く民医連の仲間を全国の仲間は忘れていないということを伝えることだったのではないかと思います。命を育む緑豊かな大地が戻るまで、引き続き息の長い支援をしていく必要があると感じました。

長野県連からの看護師支援(後半8月8~15日)は、健和会病院から熊谷由香里看護師が支援に行きました。


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