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長野県民主医療機関連合会

アクセスマップ

〒390-0803
長野県松本市元町2-9-11
民医連会館2F
TEL.0263-36-1390
FAX.0263-33-1229

機関紙:長野県民医連

第269号 2013.02.25

"人として尊ばれて生きる権利"を学びました

「もう飲まないと約束していた生保受給者が、アルコールのせいで病気が重くなったとしたら、医療費は自費で」―行政担当者からこういう電話を受けたら、あなたはどうしますか? 私たちの身近で起きた例です(別記)。
2月、湯浅誠さん、朝日健二さんの講演から、国民が人として尊ばれ、健やかに生きる権利を考え、学びました。

「貧困と健康格差と民主主義を考える」

湯浅 誠さん(反貧困ネットワーク事務局長)

2月9日、第15回学術運動交流集会が行われました。参加者は500人を超え、発表演題は115演題とそれぞれ過去最高でした。湯浅誠さんは、社会的に生みだされる貧困の仕組みを語り、問題を投げかけました。
講演する湯浅誠さん
講演する湯浅誠さん

案外身近!?「社会的排除」

ホームレスの問題に関わって18年。ホームレスは社会の端っこの端っこの端っこに起きていた問題と考えていたが、今は社会全体が近づいてきたように思います。
たとえば、子が保育園に入れないので、母親が就労できない問題。親の介護のために職場を離れる方は14万人。介護サービスを利用する平均は1日2〜3時間なので、あとの時間は家族が介護の担い手となり、仕事を続けたくても、辞めざるを得なくなる。
誰かが意図的に邪魔しようとしているわけではないのに、「働く」ことができない現実があります。

人と人はつながっている

兄は筋萎縮性の難病です。高校を出てから30年、印刷のレイアウトの仕事をしています。
スピードは遅いので生産性は高くないですが、社会で役割を果たす「場」があります。以前、父に癌が見つかり、母はショックで寝込んでしまいました。家族3人の生活を自分が背負う経験をしました。その時、私は講演に出かけられず、私と一緒に活動している仲間の活動も制限されました。
人間を1人つまみあげて、「あなたは生産性が悪い」と排除することは、その個人の問題ではすみません。1人の生活にはたくさんの人がつながっています。1人だけをつまみあげられるのはフィクションで、現実社会ではありえません。

創意工夫が必要

みなさんに考えてほしい問題があります。例えば、東日本大震災被災地での「心のケア」です。ボランティアで現地に入った方が「大丈夫ですか?」とたずねても、「大丈夫です」という答えしか返ってきません。本当に必要な支援はどうしたらいいのでしょうか?「人との関係をどのように結んでいくのか」には創意工夫が必要です。

生活保護基準はくらしの"ものさし"

朝日 健二さん(「NPO法人朝日訴訟の会」理事)

人間裁判と呼ばれる朝日訴訟を、養子となって引き継いだ朝日健二さん。2月16日の長野県民医連共同組織活動交流集会では、裁判闘争の体験を語り、「保護基準の引き下げは半世紀前の朝日訴訟時代そのもの。私たちは再び手に手をとって立ち上がりましょう」と呼びかけました。
朝日 健二さん
朝日 健二さん

結核療養所から裁判闘争へ

先日、朝日茂さんの50回忌を岡山で行いました。国による憲法25条の実現と生活保護基準の見直しを求めて、半世紀前に裁判(57年提訴)で闘った我が国初の人です。
大学卒業後働いていた朝日さんは結核で倒れます。傷病手当金、失業保険がきれ、退職金も使い果たして受けざるを得なかった生保の生活費は、1か月わずか600円。福祉事務所は戦後大連から帰ったお兄さんを見つけて仕送りを迫りました。さらにそれを収入とみなして日用品費支給の打ち切りと医療費一部負担を求めました。
これに対して朝日さんが異議申し立てをすると、国は「取り下げたらお兄さんの仕送りには目をつむる」といいました。しかし「たくさんの人が600円の生活費で栄養も取れずに死んでいった。私だけのことではない」と役人を追い返し、結核療養所から憲法25条履行と生保行政の改善を求めて提訴しました。

判決により上がり続けた生保基準

当時の日本は好況にもかかわらず、自衛隊増強やアメリカの余剰農産物輸入が優先され、社会保障予算が半分に削られ、7年連続2万人の自殺者が出ていました。
東京地裁の判決は、朝日さんの主張を全面的に認めました。判決を書いた裁判官は「人間に値する生存について考えた」と振り返ります。判決の結果、翌年から保護基準、賃金基準が上がりました。その後23年連続上がった結果が今日の保護基準です。
生活保護法は憲法25条の理念そのものです。国は最低生活の保障を「できる」ではなく「しなければならない」と明記されています。

「権利は闘うものの手に」

物価はあがり、企業は利益を出しながら、自民・公明政権時代には最低賃金は上がりませんでした。政権交代後、憲法25条の条文を入れた最低賃金法が成立しました。「生活保護施策との整合性」という言葉が入っています。生保基準は"くらしのものさし"なのです。
しかし今、これまでのことがひっくりかえるようなことが起きています。お笑い芸人の家族の生活保護返上を契機に起きた猛烈なバッシング。そして100人のうち60人が貧しい、世界一ひどい格差の日本で保護基準を下げるというのです。社会保障をつかどる国の考え方はあまりにもひどいではないですか。
朝日さんは「権利は闘うものの手に」と病床から呼びかけました。みなさんと一緒に頑張りたいと思います。

身近でもこんなことが!

N市の生活保護担当者から、県連内病院の医事課に「生活保護利用者のAさんが受診するが、もし受診理由がアルコールの飲みすぎによる病気の悪化であれば生活保護からは医療費を出さず、全額自費にする方針」という電話。担当職員が「そういう措置に法的根拠はあるのですか?」と聞き返すと、担当者は「本人との話し合いで、今後アルコールは飲まないこと、飲んだ時は自己負担でいいという約束をした。自己責任です」と答えた。職員がそれは無理な話だと押し返すと、その後撤回した。(facebook「民医連の広場」より)

これを読んだ全日本民医連・野田浩夫副会長のコメント

この職員は立派だなぁと思うと同時に、もし私たちが医療倫理と社会保障を結びつける議論を日々積み重ねていかなかったら、「行政がいうのだから間違いないだろう。ひょっとしたら自分たちも、繰り返し迷惑をかけるアルコール依存症の患者の受診を同じような手法で拒否してよいのではないか」という方向に考えが進む可能性もあると危惧した。こういう事例も医療倫理委員会は丹念に拾い上げて職員の討議を促進しなければならないと痛感した。
(1/26 全日本民医連医療倫理交流集会 in 仙台でのあいさつより)

オスプレイ配備後の沖縄は... 第28次辺野古支援・連帯行動に参加

経営の変化について

民主党政権から安倍自民党政権に代わっても、沖縄の問題は解決の兆しがみえません。普天間基地県外移設、オスプレイ配備撤回、基地負担軽減を要求する沖縄県に対し、安倍政権は辺野古埋め立てを申請し、沖縄振興予算を増額することで基地の固定化を図っています。このような情勢のもと全日本民医連第28次辺野古支援・連帯行動が、1月24~26日に行われました。中信と飯伊地域連絡会から1人ずつ参加しました。

主な日程 24日(火) 基地見学(普天間・嘉手納) 学習(辺野古 高江)
25日(水) 東村高江・辺野古の現地学習と座り込み行動
26日(木) アブチラガマ見学 ひめゆり平和祈念館見学

基地の維持費に1日5億円の思いやり予算とは

特養ゆい 牧内 真
基地の維持費に1日5億円の思いやり予算とは

沖縄らしい青い空と海、そしてのどかな街並みの中に異様な光景が広がっていました。けたたましい騒音とともに輸送機やヘリコプターが民家ギリギリを何度も飛行していました。一方では天然記念物や希少種の宝庫である山を訓練施設とし民家との境もない状態での訓練をしています。夕食をしていると突然アメリカ兵が民家にやってきて食事をわけてほしいと頼まれたこともあったそうです。このように住民は常に危険や騒音と隣り合わせで生活しなければなりません。
そしてこれらの軍事施設建設費や維持費には日本政府が行っている思いやり予算の中から賄われています。その額は1日5億円にのぼり、すべて私達の納めた税金です。

基地の維持費に1日5億円の思いやり予算とは

私達は過去の戦争の経験からもう2度とあのような戦争を起こしてはいけないと学びました。しかし、その日本のあの美しい沖縄で現在も戦争の準備をしている状態です。
「この沖縄から世界に戦争を広げたくない」
この美しい沖縄の自然を守り、平和を守る為にも新たな基地は作らせない。現在ある基地の即時撤退を実現していかなければならないと感じました。

オスプレイ2機同時離発着訓練を目撃

介護型有料老人ホームみずほの里 村山 竜也
オスプレイ2機同時離発着訓練を目撃
オスプレイ2機同時離発着訓練を目撃
オスプレイ2機同時離発着訓練を目撃

支援行動2日目、早朝6時半から高江辺野古座りこみ支援に参加しました。この日は3204日目、住民は9年近い年月、オスプレイパッド建設阻止のために昼夜問わず座りこみを続けています。
現在、北部訓練場にはフェンスがなく、藪の中を通りどこからでも作業員が入れるようになっています。そのため出入りが確認されたポイント十数か所を、限られた人数で監視するという厳しい状況となっていました。
行動2日前から単身で前泊していた私は、住民の会が運営する支援者のためのトゥータンヤ(1泊500円)へも宿泊しました。実際にオスプレイ2機同時離発着訓練を目にし、けたたましい爆音、低周波の振動には恐怖を感じ、思わず背にして逃げ出したくなりました。
今回支援行動に参加し、沖縄基地問題の緊迫した現状を知ることができました。「基地は無条件で返還されるべき」「沖縄から基地がなくなるその日まで戦い続ける」「沖縄の地から殺人兵を生み出したくない」との現地の方の強い想いに深く共感し、これが沖縄だけの問題でなく、私たち日本全体の問題であることを実感しました。

オスプレイ2機同時離発着訓練を目撃

BIG PAD導入でカンファレンスが活発に!

1月から、県連内の6つの病院・診療所の医局に、新しい大画面テレビ通信システムが導入されました。以前は旧来のテレビ会議システムを使ったテレビ・ケースカンファレンスが行われていました。しかし画像が不鮮明なうえ診療情報の共有ができず、不評により08年を最後に中断していました。
このたび導入された60~70インチ(院所により異なる)の画面は、画質が鮮明かつ表示速度も速いため、症例の検査データ・動画なども用いたスムーズな合同カンファレンスが可能になりました。
健和会病院でも、従来の院内カンファレンスがより活発になり、また土曜日朝の県連研修医カンファレンス(「長野県民医連」2013年新年号6面参照)参加にも活用されています。
新システムは、「困ったときには気軽に院所を越えて相談する」文化を創ること、県連内での症例検討を活発化し、長野県民医連の医師研修の質の向上に資すると期待されています。
(健和会病院 小林 研一)

東南西北

上伊那

外国人学校無料健診を実施

外国人学校無料健診を実施

多くの外国人学校には学校健診がありません。この現状を知り上伊那生協病院では地域の関係機関の協力により、1月29日に無料の内科健診を行いました。健診では高脂血症と診断される子が目立ちます。子どもたちの健康を守るため、草の根から行政主体の取組みへとつなげていきたいと思います。

長 野

1年の成果を発表

1年の成果を発表

1月26日、老健ふるさとで毎年恒例の「ふるさと活動交流集会」を実施しました。当日は時間の関係で26症例中発表は9症例でしたが、利用者さんの退所への取り組み、人生史のまとめなど、1年を通して取り組んできた成果を発表しあいました。より良いケアをしたいという気持ちの込められた会でした。

諏 訪

全職種で症例検討会

全職種で症例検討会

2月13日、「患者さんの生活歴から疾病を考える」をテーマに全職種症例検討会が行われました。今回は、栄養科から発信された「気になる患者さん」で、若年2型糖尿病患者のケースについて検討しました。全国的に問題となっているこの疾病が、生育歴での貧困や労働環境の悪化と関係が深い事が理解できました。

中 信

塩尻協立病院が塩尻市と懇談会

塩尻協立病院が塩尻市と懇談会

12年末に提出した「医療・福祉・介護に関する要望書」の回答懇談会が1月29日開催され、病院6人、塩尻市8人が参加。塩尻市には介護サービス助成券交付等評価できる独自サービスがあります。それを上回る要望は財政難を理由によい回答はありませんでしたが、無低診事業の現況については関心が寄せられました。

飯 伊

「患者さんの人生の集大成を支援する医師に」

「患者さんの人生の集大成を支援する医師に」

2月1日、健和会病院で、東京大学の会田薫子先生を講師に倫理学習会を行いました。医局向けと職員向けに分けて開催され、前者では17人の医師に語りかけるように話す会田先生の姿が印象的でした。「患者さんの人生の集大成を支援する医師に」というお話に感銘を受けた様子でした。

東 信

感染対策委員会で介護施設のラウンド

感染対策委員会で介護施設のラウンド

感染対策員会で、今年度から介護施設の職場ラウンドを始めました。生活の延長である介護施設で「法人感染対策マニュアル」に準じた適切な標準予防策を徹底することは、日常的衛生管理の積み重ねが大切なことを再認識しました。今後はパート職員やボランティアも参加できる学習会を計画する予定です。


九条の会、ふたたび大きなうねりを! 松本・長野の活動を紹介します

九条の会とは、日本が戦争を永久に放棄し、戦力を保持しないと定めた第9条を含む日本国憲法の改悪を阻止するために、9人の知識人・文化人が呼びかけた会です。アメリカのイラク戦争を擁護し、自衛隊を派遣した小泉政権下の04年6月にアピールを発表ました。それに賛同する人びとが全国で数千をこえる「○○九条の会」を結成し、「憲法守ろう」の大運動となりました。以来、地道な活動を続けてきた会の取り組みを紹介します。

月1回の事務局会議でわいわいがやがや 松本協立病院九条の会

毎月発行しているニュース「Peace9」
毎月発行しているニュース「Peace9」

九条の会は8年目を迎えます。月1回の事務局会議を中心に「近現代史学習会」(第3土曜)、九条の会ニュースの発行(月1回)、イベント企画なども織り交ぜ活動を続けています。
事務局会議は月1回、昼休みにお弁当を持ち寄り開催しています。地域九条の会の取り組みや、院内の九条の会としての計画をわいわいがやがやと話し合います。
12年は9月9日が日曜日でした。事務局会議で、「せっかくの日曜日。なにかしたいね」と病院の駐車場から平和をアピールする風船を9時9分に飛ばそうと計画。中信地域連絡会の他の九条の会にも呼びかけて実行委員会を立ち上げ、準備をしました。学習会もセットにしました。
当日は、早朝の準備から続々と人が集まり、9時9分には約90人の参加で、事前に職員から集めたメッセージのついた400個余りの風船を空に飛ばしました。
学習会は愛知県立大学の久保田貢先生を迎え開催、約40人が参加しました。(この様子は全日本民医連教育委員長会議の講演のなかで久保田先生に紹介され、民医連新聞に掲載されました)。
今、九条の会の役割は重要です。自衛隊が国防軍になり、憲法が変わって日本が戦争できる国になる...ことが現実?のものになるかもしれない。今こそ再び日本国憲法の大切さを学び守っていく取り組みを強めていきます。(柳 未来)

全員で毎月9羽の折鶴を 長野中央病院放射線科九条の会

「介護なんでも無料電話相談」に参加しました
折鶴で作った
タペストリー

06年に「放射線科九条の会」を発足し、活動してきました。1年目はビデオ視聴や絵本の読み合わせといった憲法学習を行いましたが、活動時間や活動に対する意識などが課題として挙げられました。
発足2年目以降は、放射線科全員(19人)で毎月9羽以上の折鶴を折り、作った千羽鶴を原水禁世界大会に送る活動をしています。
この活動は、折鶴作りを通じて憲法九条のこと、命の尊さを考えることを主旨としています。忙しい業務の中で放射線科全員が集まる必要がなく、活動時間は個々で違っても同じ目的に向かって無理なく続けることができるといった利点があります。活動を見ていた医師・看護師・事務の賛同と協力もあり、現在までに7本の千羽鶴を原水禁世界大会に送っています。また、これまでに放射線科から2人が原水禁世界大会に参加しています。
憲法九条を守り、平和活動への意識を絶やさないためにも活動を継続していくことが重要と考え、今後も継続していきます。(川久保 美幸)

長野県連の団結とパワーを支える 部会紹介5 経営部会

経営部会は第6次長計の重点課題の一つである、すべての法人で必要利益を確保し、経営の安定化をはかることをめざし、県連内6連絡会の経営管理を行っています。
具体的には、月次損益の把握と四半期に一度程度の医療または介護分野の経営検討会、介護施設等新規事業、リニューアル等における投資計画と資金繰り等の検討。民医連統一会計基準の徹底、事業所独立会計・部門別損益管理の推進、保険未収金管理の改善等です。
特徴的な取り組みに県連経営検討会があります。各法人・事業所は、さまざまな取り組みや経験を持っており、それら含め経営分析結果等を持ち寄り、意見交換、経験交流を行っています。
医科法人に加え、社会福祉法人やNPO法人、要対策項目チェック対象法人、介護報酬改定への影響と対応など、情勢や要望に応じながらテーマ設定しています。参加事業所や対象者の幅が広がりました。また検討会を通じて、利用者増や収益構造の変更など有用な場になっています。
経営と聞くと敬遠されがちですが、全職員参加の経営改善に向け、部門別損益管理の導入、わかりやすい情報公開など部会として推進し取り組んでいきます。(経営部長・清水 晃)

2分で読めるミニ学習

自民党や維新の会が言っている「憲法96条改正」は、どんなねらいがあるの?

憲法96条は、憲法の改正について記された唯一の条文です。憲法の存在そのものに関わるもので、第2次世界大戦の反省に基づき、為政者が勝手に容易に改憲できない歯止めになっています。

* * *

昨年12月に行われた衆院選で誕生した安倍政権はもとより、民主・公明・維新の会など保守諸政党は、アメリカからの圧力(軍事的肩代わり要求)に屈して9条改憲を目論んでいます。しかし、保守諸政党は、小泉内閣とそれに続く安倍内閣のおりに日本全国に「九条の会」が立ち上がるなどの反対運動を目の当たりにしており、9条改憲が容易ではないことを認識しています。

* * *

そこで、憲法をより簡単に変えることができるよう、まず96条を改正し、憲法改正手続きのハードルを低くしようとしているのです。その上で本来の狙いである9条改憲を進めていこうとしています。96条改憲の先には、為政者による軍事大国化、「戦争の放棄」の放棄が待ち受けています。
さらに、改憲の矛先は「平和主義」ばかりでなく、「国民主権」「基本的人権の尊重」にまで及ぶのではと危惧する声もあります。

日本国憲法 第9章 改正 第96条 【改正の手続き、その公布】

[1] この憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。
[2] 憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。

私たちは放射能汚染被害とどう向き合うのか

長野県民医連理事会は、放射能汚染被害と向き合う取り組みを進めるために「福島支援委員会(仮称)」を立ち上げることを決定。当面の役割は、①放射能汚染問題の学習・普及、②放射能汚染被害対策(検診、相談活動など)③福島民医連職員支援としました。
県連的な取り組みを進めるにあたって開催した学習講演会を、部会として位置づけた県連小児科部会の鈴木直美医師からのレポートです。

分からないことはあっても 被災者の気持ちに ずっと寄りそって いくことが大切 松本協立病院小児科 医師・鈴木 直美

県連小児科医師部会
県連小児科医師部会
尾崎医師が紹介した京都民医連での検診の様子(12年3月)
尾崎医師が紹介した京都民医連での検診の様子(12年3月)

東日本大震災・福島原発事故から、もうすぐ2年が過ぎようとしています。震災からの復興・放射能汚染被害対策も思うようには進まず、被災者の皆さんは、まだまだ辛い思いをされているのだろうと思います。現地に残るという選択をした方々も、避難という道を選択した方々も、各々に不安を抱え、様々な思いを持っていることでしょう。
実際、長野県内に避難されている方々は、行政で把握しているだけでも1300人近い数になっています。関東地方など、一旦他のところに転居してから改めて長野県内に来た方は含まれていないので、そういった方々を合わせると、実際の避難者はもっと多いはずです。
その方々のさまざまな不安や疑問を聞いていき、何か対策を打つことが必要なのではないかとは思ってはいたのですが、放射能汚染被害に対する知識もなく、実際どのようにしたらいいのかわからないというのが、私の、あるいは県連小児科医師全体の思いでもありました。

* * *

県連小児科医師部会の中で、「何かするにしても、まず自分たちが学習をしなければいけない」ということで、京都民医連で実際に避難者検診に取り組まれた尾崎望先生に講演を依頼し、1月20日に開催することができました。日程が急に決まったこともあり、参加者は全体で20人程度でしたが、県連全体から、医師・看護師・事務・医学生など、さまざまな立場からの参加を頂きました。
講演内容としては、まず全日本民医連からの「被ばく委員会設置の提起」・当面する重点課題についてのお話があり、それを受けて、実際に京都民医連で行った避難者検診の取り組みについてのお話がありました。
先生のお話の中で特に心に残ったことは、「被ばく被害を心配する避難者に、安易に『大丈夫』『心配ない』という言葉を使ってはいけない。低線量被ばくについてはまだ分からないことも多いが、分からないことは分からないと伝えつつ、不安・心配を抱える避難者の気持ちに寄り添い、気持ちを受け止めてあげる、今後も一緒に取り組んでいくという姿勢を伝えていくことが大切だ」ということでした。
チェルノブイリの原発事故後、子どもたちの体に様々な変化が起こっているようですが、それが放射能被害によるものか、精神的なストレス・運動不足など他の要因によるものか、まだ評価が分かれているという現状もあります。分からないことはありつつも、避難者の方々の思いを受け止め、寄り添っていくという姿勢をずっと持っていたいと思いました。

県連小児科医師部会
1月20日 尾崎望医師を講師に学習講演会
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今後の活動については、民医連だけではなく、他の医療機関や行政と一緒に取り組みを進めていくという視点も重要だと思います。避難者のための取り組みを、少しずつ進めていければと思っています。

長野県連 ぐるっと事業所めぐり8

諏訪 ケアハウス高尾

介護型有料老人ホーム みずほの里

開所12年目を迎え、当初から入居している方にとっては、本当にここが生活の場となりました。自分らしい生活を大切にしてもらえるため、その方の時間を尊重し今の暮らしを続けられるようにお手伝いをしています。
買い物や季節ごとの行事、物作りやカラオケなどのレクリエーションを行ったり、機能の低下を防ぐために、タオルやボール、棒などを使った介護予防体操や嚥下体操をしています。車いす介助の方は十数人ですが、3度の食事と午前、午後のお茶の時間には食堂にご案内して、他の方との関わりを大事にしたケアを心がけています。
これからも自分らしい生活を続けられるよう、スタッフ一同、より良いお手伝いをしていきます。
(主任・乙部 妙子)

介護型有料老人ホーム みずほの里
  • 所在地
  • 〒394-0048 長野県岡谷市川岸上4-3-7
  • 連絡先
  • TEL.0266-22-2772 Fax.0266-22-3720
  • 事業内容
  • 軽費老人ホーム、特定施設入居者生活介護事業所
  • 定員
  • 32人(うち特定施設定員は24人)

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