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長野県民主医療機関連合会

アクセスマップ

〒390-0803
長野県松本市元町2-9-11
民医連会館2F
TEL.0263-36-1390
FAX.0263-33-1229

機関紙:長野県民医連

第270号 2013.03.25

選ぼう!原発に依存しない道 3・11を忘れない

宮島隆さん 核分裂のしくみ(イメージ) 制御棒で核分裂を起こさせない(イメージ)
【参考: 北陸電力HP】
3.10でパレードする健和会病院のみなさん
3.10でパレードする健和会病院のみなさん
宮島さんからのメッセージ

まずは知ることから始めましょう。この記事が原発の仕組みや問題点を知るきっかけなればうれしいです。昨年の10万人集会に私も参加しましたが、自発的な参加者が大勢いたのが印象的でした。1人の力は小さいかもしれないが、集まれば大きな力になると思います。まずは自分のできることから。

「古い原発を更新して発電量を維持する」22%、「経済状況をみながら徐々に減らし、将来はなくす」44%......これは、長野県民医連労働組合(民医労)の2013年春闘アンケートの「原発」の項への回答です。原発稼働から50年、その存在は民医連職員にも影響を及ぼしています。改めて原発とはなにか、健和会病院放射線技師の宮島隆さんに聞きました。

病院で使っている放射線と 原子力発電所のものは違うのですか。

ごくわずかの被曝で医療情報が得られ、かつ、人工的に作られ制御できるX線。莫大なエネルギーを得るため、扱いが危険な放射性核種を「核分裂」させて電気を作る原子力発電所。同じ「放射線」でも、まったく違うものです。
医療機関ではおもにX線という放射線を使用しています。これは1895年にレントゲン博士が発見した電磁波の一種です。よく病院で「レントゲンを撮ってきて」と言われますが、レントゲンは人名です。
X線は、①ものを透過する ②フィルムを黒くする ③電気で制御できるという性質を持っています。骨折の疑いのある部位を板にのせX線を当て(X線装置のスイッチを押している時間だけX線が出ます)、板の中のフィルムを現像すると、骨折の有無がわかります。医師はX線検査の有用性と、被曝の影響を考えながらX線撮影の指示を出しています。
放射線治療ではX線、ガンマ線、電子線などで癌の治療をしたり、最近では重粒子線を用いた高度医療も行われます。これらはすべて制御できる放射線です。
原子力発電(以下原発)ではもともと自然界にあった放射性核種を使い、そこに「核分裂」という技術を用いて膨大なエネルギーを作り出します。
核燃料としてウラン235を用います。ウラン235に何らかの方法で中性子を当てると「核分裂」を起こします。その時に莫大な熱が発生します。原発はこの熱を利用して水を水蒸気にしてタービンを回し、発電を行います。
「核分裂」をするとそこからまた中性子が放出され、その中性子がまた他のウラン235に当たり「核分裂」が起こります。連続的に起こるのが「臨界」です。つまり、原発の中は常に「臨界」の状態で、常に「核分裂」を起こしているのです。
 ただし「核分裂」をし放題では原子炉が壊れてしまいますので、制御もしなくてはいけません。制御は制御棒を用いて、中性子が核に当たらないようします。しかし、福島原発のように一旦このシステムが崩れれば永遠に「核分裂」をし続ける可能性もあるわけです。

安倍首相は「科学的安全基準で 再稼働を判断する」と言います。

安倍首相は「科学的安全基準で再稼働を判断する」と言います。
新安全基準の最大の焦点は、原子炉内の蒸気に含まれた放射性物質を取り除く「フィルター付きベント(排気)設備」の設置だそうです。
たしかに福島第1原発には、原子炉格納容器内の圧力を逃すベント設備にフィルターはありませんでした。それにより住民を避難させるのに時間がかかりました。辛うじてベントは成功し、格納容器の爆発という最悪の事態は避けられましたが、フィルター付きベントの必要性が表面化しました。
しかし、これはあくまで原発ありきの話です。当時、東京電力と政府は「想定外」の事態だと言いました。新基準を満たす原発ができたら「想定外」の事態はないのでしょうか。
3月9日の新聞は、「敦賀原発直下の断層は『活断層』」と報じました。旧安全基準でさえ「活断層」の上には原発を造ってはいけなかったのですから、いかに当時の審査が原発寄りだったかということです。国の安全基準は、時の政府の考えによりどのようにも左右されるのです。

人類は「核」を 制御できるのでしょうか。

私たち人類は「核」を見つけ、さまざまな利用方法を考えました。原子爆弾も「核」、原子力発電も「核」です。私たちは、天然ウランを凝縮する技術を確立しました。それを「核分裂」させ、得られるエネルギーで電気を作ることにも成功しました。しかし人類のできることは、そこまでです。
もしもの時の技術。被曝しない技術。放射線を無毒化する技術。放射性廃棄物を処理する技術。これらは何一つ解決していません。この瞬間にも、大飯原発では最終処理の方法すらない放射性廃棄物を作り続けています。
ウラン235の半減期(放射性物質の原子の数が半分になるまでの時間)は7億4000万年です。福島原発が廃炉になったとしても、最終処分の方法がない現在、それを誰が監視するのでしょうか。経済優先で発車してしまった「核」に対して作家の落合恵子さんはこう言います。「これらの技術を持ち得ない、そんな人類が核を扱ってはいけない」と。私も放射線を扱う一人としてその通りだと思います。

3・11を忘れない
平和憲法を守る県民大集会

  • 記念講演
  • 澤地 久枝 さん (「九条の会」よびかけ人・ノンフィクション作家)
  • 日 時
  • 4月29日(月・祝日)午後1時30分開会(1時開場)
  • 会 場
  • ホクト文化ホール・大ホール(長野市若里1-1-3)
  • 入場料
  • 500

主催:平和憲法を守る県民大集会実行委員会
連絡先/☎026-235-1321(栗岩)

介護ウエーブ 国会に声を届けてきました! ー実態調査、一言カード、署名を持って国会議員のもとへー

12年春の介護保険法改定・介護報酬改定で利用者さんや事業所は大きなダメージをうけました。「介護の社会化」を謳った介護保険のはずなのに、改定の度に悪くなる一方です。春から加速した介護ウエーブの集大成として、国へ直接、署名と声を届けようと11人が国会行動に参加しました。

メインは国会議員訪問

メインは国会議員訪問

2月20日、全日本民連が国会集中行動をよびかけ、全国から約100人が参加しました。
まず、国会内の集会室で全体会。正面の机には全国から集まった13万5000筆の署名の山。段ボールで14箱ありました。
今回のメインは、議員訪問。11人は2〜3人組に分かれて、1人に1部屋ずつある議員控室を訪問しました。長野県選出の国会議員は衆議院・参議院をあわせて15人ですが、そのうち、前日までに電話でアポイントメントをとった12人の議員控室を訪問しました。ほとんどの部屋で中に通され、県連でまとめた「介護改定影響調査・一言カード」を報告し、介護現場で起きていることを根拠に基づいて伝えることができました。
また、行動後のまとめの会では「つるがの風」の松木信治さんが、県連の取り組みを報告しました。

参加者の感想

参加者の感想

・自分たちで集めた署名を実際に届ける現場に立ち会えたことは貴重な経験でした。このことを一緒に署名を集めた職員や共同組織の皆さんにも伝えたい。
(はやしの杜・近藤玲子)
・自分の職場の現状や入居者からの生の声をもっと意識的に集め、行動の中で発言できるように取り組んでいきたいと思いました。
(みずほの里・高橋義裕)
・これまでの介護ウエーブに取り組んできた職員自らが、直接、陳情の場に立ち会うことはたいへん意義あることだと感じました。
(つるがの風・松木信治)
・日々の仕事の忙しさの中で集めた署名や、ケアマネのみなさんにも協力いただいた生の「ひと言」を国会に届けることができてよかった。私たち自身でよりよい介護を実現し、健康で安心して暮らせるまちづくりの一端を担えるように頑張りたい。
(上伊那生協病院・山本真吾)

2012年の介護ウエーブ(おもな行動)

4月〜7月 介護改定影響調査 (1487事業所にアンケート調査実施、469事業所から回答)
5月 下諏訪町議会傍聴
6月〜8月 ケアマネ困難事例・全事例調査
7月10日 介護アンケート記者会見、SBCニュースワイドで放映
9月 (家事援助の時間短縮とデイケア時間変更による影響を2事業所で取材)
10月 介護保険利用者からの一言カード(600人分収集)
2012年秋 社保協と共同し自治体との懇談 (影響調査の結果とひと言アンケートを報告)
12月 衆議院選挙立候補者への政策アンケート (3人から返答あり)
7月25日、12月20日 長野県介護支援室との懇談

国会請願署名って?

今回の介護署名は衆参両議院議長あての請願です。国民(および在住外国人)はだれでも国政に対する要望・苦情を「請願」として直接国会に述べることができます。請願書は国会議員の紹介により提出しなくてはならず、手続きは議員(議員秘書)が行います。請願内容により担当する委員会で審議されます。

「介護の魅力を再認識」― 自分たちのいいところも、みつけちゃった―

2月23日、県連介護教育委員会主催のスキルアップ研修が開催されました。参加は中堅職員47人でした。 午前中は飯田女子短期大学の熊谷教先生から「私が介護が好きな理由」のテーマで講演を聞きました。日々の業務の中では目の前の事に追われ"介護の魅力"は見失いがちです。学ぶことで、「やっぱり介護が好き」を再認識しました。
午後は、ペーパータワー&ストロータワーのグループワーク。ワークを通じ、自分の魅力に気づき相手の良いところを認め、お互いに認め合うことができました。「○○さんのキラッと発見しました」と書かれた"キラッとカード"は、最後に一人ひとりに渡されました。
参加者からは「楽しい研修だった」「こんな風に職場でも介護について語り合う時間を作りたい」などの感想が出されました。

(老健はやしの杜・唐沢 文子)

東南西北

忘れない!3・11 原発ゼロへ!

東日本を襲った大地震と津波、翌未明の栄村の地震から2年がたちました。多く被災者が生活面でも精神面でもつらい日々を送っています。
福島第一原発事故の収束はいまだ見えないどころか、事態はますます悪化しています。それにもかかわらず、安倍内閣は国土強じん化として大型公共事業の復活、原発再稼働をめざしています。全国の運動に呼応して県下16会場で集会が行われました。

長 野

圧巻!800枚の黄色いハンカチ

圧巻!800枚の黄色いハンカチ

「つながろうフクシマ!広げよう脱原発! 3・10長野行動」に500人(職員65人・組合員25人)が参加。当日参加できない人も含めて全職員が関わろうと企画した「黄色いハンカチプロジェクト」には、熱いメッセージが書かれた800枚が寄せられました。会場の南千歳公園全体が黄色に包まれ、集会を盛り上げました。

東 信

つながるパレードin上田

つながるパレードin上田

3月9日、200人が自作の曲をギターの先導で歌い、訴えながら元気に楽しくパレードしました。子どもたちもマイクを握って「原発反対」をアピール。パレード後の集会では、原発事故で女川から逃げてきた方の初参加もあり「私たちを忘れないで下さい」という涙の訴えに、脱原発の思いを強くしました。

松 本

集会前に上映会

集会前に上映会

3月10日(日)、松本城公園の集会に1500人が参加、松本駅前までパレードしました。それに先立ち『シェーナウの想い〜自然エネルギー社会を子どもたちに〜』の上映会がMウイングで行われ、職員・学生など30人が参加。ドイツの小さな村で2度の住民投票で大手電力会社に勝利したドキュメンタリーに大きな勇気をもらいました。

塩 尻

広がりを見せる市民活動

広がりを見せる市民活動

8月結成の脱原発社会をめざす塩尻の会主催の「第2回脱原発・再稼働反対大行進in塩尻」は、塩尻駅東口公園で行われ100人が参加。「花は咲く」の全員合唱、集会アピール確認後の行進では、商店街からの「頑張れ!」の声援に勇気づけられました。1月の『東京原発』上映会には約300人が参加し、広がりを見せています。

諏 訪

浜岡原発の設計関係者の講演も

浜岡原発の設計関係者の講演も

「脱原発すわ連絡会」が開催したデモ行進は、160人(職員は35人)が参加。その後の特別講演で、浜岡原発の設計に携わった渡辺敦雄さんから「福島で何が起こったか(原発の危険性)」についてお話しを聞きました。原発事故による影響は自分達の世代だけでなく後世にまで影響が及ぶ問題である事を改めて学びました。

上伊那

4回目のデモ報告

4回目のデモ報告

3月10日、さよなら原発上伊那の会主催による「震災2周年・4回目のデモ」が開催されました。伊那市商店街中心部の広場にて、10時〜集会、震災後この間様々な活動を続けてきた各方面の方々からの発言の後、約150人が商店街から国道にかけて約3㎞を強風に負けず元気よくデモ行進しました。

飯 伊

アップルロードで初パレード

アップルロードで初パレード

3月10日、旧パチンコ明星駐車場にて「3.10いやだに原発・ウォークin Iida」の集会とパレードを行いました。曇り空のなか200人が参加し、初めてアップルロード(飯伊で一番交通量が多い)でパレードをしました。「原発いらない!再稼働反対!」の唱和に、車やお店の駐車場からも反応があり参加者も元気になる集会でした。

受療権守るには全職員の気づきや視点が大切 無低診担当者、活発に交流

お金がなくて受診できない人のための無料低額診療事業(以下無低診)が、県連すべての病院で実施されています。全国では729事業所が実施し、その42%が民医連です。貧困格差の広がりや高い国保料で「病院にかかれない」患者さんが増える中、無低診の果たす役割は大きくマスコミでもとり上げられています。
2月21日、県連担当者交流集会を開催し60人が参加しました。目的は、①各連絡会の状況を共有する、②対応者の視点や制度のあるべき役割を学習・交流し認識を高めあうの2点です。
連絡会からは、「制度があって、患者さんが前向きに考えられるようになった」とよりどころとなっている様子と、「一時的に生活の建て直しができたが継続できない」など、無低診だけでは解決しないことなどが報告されました。
グループ討論では「お金がないから薬は要らない」とだんだん厳しくなっていること、「中断患者さんの中に無低診の人が2人いてショック」など、後追いが課題だという発言もありました。「次に何をやるか真剣に考える時期」「全職員に無低診とは何かを知らせ、報告会の開催も必要」との感想が寄せられました。
受療権を守るためには、全職員の気づきや視点が大切であることが再確認できました。あきらめている人に医療をとどけることと、窓口負担のゼロを目指し実態を社会に問う運動を一体のものとしてすすめましょう。

(社保委員長 本間みね子)

無料低額診療 認定者の内訳

最初の接点経済状況性別家族構成保険種別

長野県連の団結とパワーを支える 部会紹介6 職員育成部

管轄する委員会
教育委員会、事務委員会、青年委員会、SW委員会、技術部門委員会

職員育成部は「民医連綱領を実践する職員の育成と職場づくり」をめざしています。
30期は総会方針(今期より評議員会方針を新たに加える)の役職者全員の読了、全職員参加の学習の推進を行っています。具体的には2月の評議員会方針をそれぞれの役職員が「どうやって職場で具体化するか?」をレポートすることにしました。
13年1月に「全日本民医連教育活動指針」が決定されました。県連では今後1年かけて、「県連版教育要綱」について議論を重ね、実践で検証し、改定していきます。
県連では、毎年200人余の入職者を迎えます。民医連運動を担う職員の育成は、様々な事業展開、運動の推進にとって大変重要な課題です。脱原発・TPP・基地問題・改憲危機など、命とくらしが脅かされている情勢を職員自らの問題と捉えられるよう、身近な事例と結び付けて学び、『育成』の課題に取り組みます。

(職員育成部長・三村 功)

2分で読めるミニ学習

国民皆保険制度を崩壊させるTPP

3月12日 東京での集会
3月12日 東京での集会
東京でのデモ行進には職員も白衣で参加
東京でのデモ行進には職員も白衣で参加

安倍首相は3月15日、TPP交渉参加を正式に表明しました。厳しく抗議し、その撤回を求めるものです。
TPP(環太平洋連携協定)とは、環太平洋地域の国々が関税を全面的に廃止し、「市場原理主義」を国際的に進めようとするものです。
関税が完全撤廃されれば、食料の自給率は10%台に低下し(現在39%)、日本の農業は壊滅してしまいます。
TPPは医療でも深刻な事態を引き起こします。営利企業(株式会社)が病院の経営に参入し、混合診療が全面解禁となり、アメリカの高額の医薬品や民間の医療保険等がどっとなだれ込みます。誰でも保険証一枚で、いつでもどこでも平等に医療が受けられる日本の国民皆保険制度が解体の危機にさらされます。
現在、公的保険医療と保険外の新薬や先進医療(自由診療)の併用(混合診療)は原則禁止ですが、全面解禁となると、高額医療費を支払えるのは一部の高額所得者に限られます。医療機関も収入の多い自由診療に走り、公的保険医療が軽視され、政府が公的保険医療の縮減に向かうことは確実です。
混合診療の全面解禁は、人の命をお金で量る「医療の差別」を新たにつくり、不採算部門や地域医療の切捨てが進むでしょう。
食料や医療は、生命の維持や生きる活力の源です。TPPは単に経済の問題だけではなく、国民の権利と国家の主権、国の在り方にかかわる大問題です。

(長野医療生協理事長・山口 光昭)

常菜のように見えるきざみ食の取り組み 塩尻協立病院・調理師 今井 浩二郎

当院の入院患者の平均年齢は80・9歳と高く、食事は高齢者向けの献立を基本にしています。摂食・嚥下機能が低下している方も多く、状態に応じて、常食・きざみ食・軟菜食・ソフト食・ミキサー食という5段階に分けています。患者さんへのアンケートを取ると、きざみ食の形態や見た目に対する不満が多く、科内ミーティングで対応策を思案しました。その中で、手間をかけて刻んでいるのに、そのことによって見た目から得られる食欲を奪っている状況であることに気づきました。安全な食事提供はもちろん、見た目で「美味しそう」「食べたい」と思ってもらえるきざみ食を目指し改善に取組みました。

きざみ食改善へのアプローチ

常菜をそのままフードカッターで刻み、とろみ剤を加えてまとまりを出して提供。

見た目では何の料理か判断しづらい。試行錯誤の中であんをかける、別々に刻むなどしたが、見た目の満足感は得られなかった。

一つひとつの食材ごとに刻み、ゼリー状に固まる性質のとろみ剤(スルーパートナー)を使用し、切り方に合わせた形にそれぞれ固める。常菜と同じ大きさの形に切り分けて盛り合わせる。

見た目が常菜に近く、ゼリー状に近い状態で再形成されており、形としてまとまっているので飲み込みやすく食べやすい。

①身の部分...生鮭に調味料を加え火を通し、煮汁ごとミキサーにかけた後軽く水分を切り、とろみ剤を加える。

②皮の部分...鮭の身とひじきを煮てミキサーにかける。ペースト状にするため、とろみ剤を加えてから、もう一度ミキサーにかける。

③再形成...ラップの上に皮の部分をのばし、その上に先に作った身の部分をのせ、形を整えたら冷蔵庫で冷やす。しっかり固まったら常菜と同じ切り身の形に切って完成。

*魚の種類によって厚さや切り方を変えています。また、麺類や揚げ物、汁物などはすべて常菜に近い形で提供しています。

まとめ

見た目が良くなったことにより、今まで拒否のあった患者さんにも食べていただけるようになったり、摂取量が増加する方もみられました。
食事介助に入る病棟スタッフからも、食札のメニューと料理が一目で一致し、使用している食材も認識できるので、介助時の声かけがしやすくなったと好評です。また、職員を対象にした試食会でも、「見た目が美味しそう」「素材の味がしっかりあった」等の感想が寄せられました。こうした患者さん、職員からの良好な反応は作り手のモチベーションアップに繋がっています。

今後の課題

見た目の良い刻み食に取り組み始め、調理工程は以前より複雑になりました。職員体制も限られる中、安定した技術で食事を提供していくために、食材の特性把握やマニュアル作成が課題となっています。
給食業務の委託化が主流となる中、直営で給食提供をするメリットである、迅速・柔軟な対応をこれからも心がけ、患者さんの要望や期待に応え、食事の楽しみ、QOL向上を支える食事作りをしていきたいと思います。

【2013年学連交発表演題より】

長野県連 ぐるっと事業所めぐり9

上伊那 デイサービスセンターつむぎ

上伊那 デイサービスセンターつむぎ

人と人との繋がりを『つむぎ』たいという思いが施設名になりました。利用者さん一人ひとりの思いに寄り添ったきめ細かな対応を心がけ、笑顔あふれる場所をめざしています。昨年は利用者さんの希望でプランターにピーマンやなすを植え、成長と収穫を楽しみました。
8月8日にはボランティアさん・歴代の職員と共に5周年のお祝い会を行いました。一緒に作ったくす玉を割り、ヨーヨーつり、輪投げ、金魚釣りゲーム、職員が用意した屋台でおいしい物を食べてとても楽しい時間を過ごしました。利用者さんからも温かい言葉をもらい、感激しました。
これからも、たくさんの笑顔を引き出せるよう、試行錯誤しながらサービスをしていきたいと思います。
(井上 亜美)

上伊那 デイサービスセンターつむぎ
  • 所在地
  • 〒399-4601 長野県上伊那郡箕輪町大字中箕輪11324
  • 連絡先
  • TEL.0265-79-0653 Fax.0265-79-0673
  • 事業内容
  • 通所介護
  • 定員
  • 15人

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