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長野県民主医療機関連合会

アクセスマップ

〒390-0803
長野県松本市元町2-9-11
民医連会館2F
TEL.0263-36-1390
FAX.0263-33-1229

機関紙:長野県民医連

第272号 2013.05.25

誰にでも起こりうる 避けがたいできことがきっかけ

民医連「生活保護実態調査」にマスコミも注目

県内民放4社と新聞7紙が報道しました
県内民放4社と新聞7紙が報道しました

昨年、芸能人家族の生活保護受給が報道されてから、わずか数パーセントの不正受給をクローズアップさせ、生活保護バッシングがおこりました。そして、政府は生活保護基準引き下げを打ち出しました。全日本民医連はこれらの動向に対し、生活保護受給者の生活実態と、保護基準引き下げによる影響を明らかにする目的で面接調査を行いました。県連では67人から回答を得ました。
「誰にでも起こりうる避けがたい出来事が受給のきっかけ」「節約の域を超えた生活実態」など大きな反響を呼んだ長野県民医連の記者会見について、岩須靖弘事務局長に聞きました。

実態調査から3つの提起

岩須事務局長、鮎沢ゆかりMSW、杉原大輔MSWが記者会見(長野県庁)
岩須事務局長、鮎沢ゆかりMSW、杉原大輔MSWが記者会見(長野県庁)

今回の生活保護実態調査で提起した点は、次のとおりです。
第1に、最近の政府・与党関係者やマスコミの異常な「不正受給」キャンペーン、それを利用した生活保護基準額の引き下げという政策に対して、圧倒的な受給者が大変な生活困難に直面して生存権・健康権の危機に瀕している問題を告発し、その重大性を世に問おうとしたことです。
調査では、多くの受給者が節約の域を超えて、病気の悪化に直結するような生活を余儀なくされ、しかも社会から孤立している深刻な実態が示されています。そして、生活保護バッシングとも言うべき風潮のなかで、受給者が心も名誉も傷つけられていることが明らかになっています。
第2に、貧困の広がりのなか、国民共通のセーフティネット、社会保障の最後の砦としての生活保護を守り充実させるべきことを強調したことです。
調査結果では、生活保護の申請理由として、失業・病気・雇用保険切れなどが複合的に重なっており、自己責任ではどうしようもない、誰にでも起こりうる避けがたい問題が背景にあることが浮き彫りになっています。だからこそ、生活保護制度の根拠に憲法25条があり、権利としての社会保障と国の責任をあいまいにしてはならないことを訴えました。
第3に、生活保護問題に関わるマスコミ報道のあり方について、会見とその後の記者たちとの質疑を通して問題提起したことです。もし報道姿勢に、視聴率や購読部数を重視するあまり、人権の視点や社会の真実をおろそかにするようなことがあるとしたら、それはジャーナリズムの退廃になることを率直に語りました。

これまでにないマスコミの反応

結果として、大きな反響がありました。当日夕方の民放4局のすべてのニュース、そして翌日の各紙の紙面で、私たちの会見内容の核心がかなり丁寧に報道されたと思います。
また、長野県連事務局にも、「よくやってくれた」「この団体なら信頼できる。相談にのってほしい」などの電話が寄せられました。
現場の事例を積み上げ、しっかりとしたデータ分析と人々の「生の声」にもとづく民医連らしい調査活動が、社会に重要なインパクトを与えることを実感した記者会見でした。

■ 1週間の入浴回数 ■■ 冠婚葬祭の知らせが来たとき ■■ 1ヶ月の教養娯楽費 ■■調査日前日の食事内容 ■(調査より抜粋)

「平和憲法を守る県民大集会」3000人の熱気 〜「一人からはじまる」明日への希望〜

4月29日、長野市のホクト文化ホールで、桜井佐七、宮地良彦、市川英彦さんら11人がよびかけ人となり集会が行われました(主催:実行委員会)。「9条の会」呼びかけ人の澤地久枝さんが、「一人ひとりが手をつなぎ、諦めない気持ちで進むことが大事です」と記念講演を行いました。新入職員の感想を紹介します。

澤地さんからの希望のメッセージ

松本協立病院・事務 三浦 史子
ロビーにも人があふれ、「平和憲法を守ろう」の熱気にあふれた集会
ロビーにも人があふれ、「平和憲法を守ろう」の熱気にあふれた集会

澤地さんは講演で、「希望が無ければ闘えない、夢見る勇気のないものには闘う力が無い」と言った。
大学生だった私の身の回りには色んな人がいた。奨学金で自分の生活費と母親の医療費を払い、居酒屋のバイトで殴られ、食費を1日100円で済ませ、人権侵害みたいな就活をやり、そういう人が身近にいた。澤地さんは、これを直視し、それでも希望を持ち、展望を語れと言ったのだと思う。
かなり、ハイレベルな要求である。澤地さんは満州から引き揚げてきた人だ。血みどろで生きて帰った後も、全てを満州に捨ててきた自分だけが貧しいという孤独と闘い続けたのだと思う。この講演は、苦しんできた澤地さんから、苦しんでいる私たちへ、それでも希望を持てというメッセージだったと思う。
私は、これから一生かけて、ひどい現状を見ていてもウロウロ、オタオタと、必死に希望を模索し続ける人になりたいと思った。その模索こそが、たぶん希望である。

NO WAR 平和憲法を守る私の声② 松井 温子(松本協立病院 医師)

松井 温子(松本協立病院 医師)

6月23日は沖縄で戦争が終決した日で、「慰霊の日」として大切にされています。がま(防空壕と同義の自然の洞窟)や記念碑も残され、以前は戦争体験を聞くことも学習の1つとしてありました。出来ることなら思い出したくないことを話してくれる理由は、"この辛い思いをもう二度と味わいたくない、子や孫には尚更味わわせたくない"という強い思でした。
その思いが、今になってより共感できるようになったのは、私が母親になったからだと思います。現在、1歳半になる息子と過ごし、成長をみていると、この子の将来もどうか幸せであって欲しいと思わずにはいられません。
昨年の9月9日、松本協立病院で行われた風船飛ばしに、息子と一緒に参加させてもらいました。同日、沖縄でも県民集会が開かれていました。真っ青な空に色とりどりの風船が広がっていく光景、多くの人が9月9日の9時9分に集う光景に、小さな命をはじめ、私の原点の沖縄、命と接する仕事をする自分のためにも、平和を願わずにはいられませんでした。
私が初期研修医として働き出す年の3月には、東日本大震災が起きました。そして日本はまた大きく動こうとしています。
自民党の改憲草案が発表され、7月には参議院選挙が控えています。原子力発電所により、命を失ってしまった多くの方々、生活を失ってしまった方々、前に進もうとしている方々。辛い経験を経たのに、また原発の話がCMで流れる日がきてしまいました。
改憲によって基本的人権が揺らいでしまうかもしれません。
過去を教訓に、どういう未来にしたいかを考えなければいけません。母も父も子どもたちも、自分たちとこれからの人々が生きていける日本を思い、過去を学び、未来を創造していく責任があるのだと思います。母親になって思うことでした。

大澤由記さんの福島だより❶ お花見での再会

私の暮らす福島市は、福島第1原発から約65㎞にあり周囲を山に囲まれたところです。内陸部のため津波による被害はなく、地震による被害も比較的小さかった地域です。
私は、医療生協わたり病院の電算室に勤務しております。原発事故当時、6歳、4歳、1歳だった3人の男の子の父親でもあります。全国の民医連の仲間がこの原発問題に関心を寄せて下さっていることに、心から励まされます。
今回、福島の現状をお伝えする機会をいただきました。生活の中で感じたことを福島で暮らす市民の立場で、お伝えできればと思っています。

わたり病院から西を見ると、吾妻連峰が連なり、その山のひとつの吾妻小富士の山肌には、春になると残雪が「うさぎ」のようにみえます。今年の冬は雪がたくさん降り、寒い日が続きましたが、この「ゆきうさぎ」が春の訪れを知らせてくれました。それと同時に、2011年3月の記憶も否応なくよみがえります。震災のあった年、いつも通り咲きみだれていた色とりどりの花の記憶はほとんど無く、まるでモノトーンの世界にでもいるような感覚で毎日を過ごしていました。

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事故から1年が過ぎた去年の春は、放射線への考え方があまりにも多様で、お花見の企画をしたくても親しい友人にどう思うかメールで聞いてみることすら緊張する状況でした。例年、保育園の友人達とお花見をしていた場所の放射線量はみんなが納得できる値ではなかったし、除染の終わった園庭で遊ぶ時間も1日30分から40分ほどの生活だったのです。それでも私は何とかみんなでお花見をしたいと思い吾妻連峰が間近に望める、眺めのいい公園を子どもたちと一緒に線量計を持って歩きました。
お花見の場所を決めてみんなに声をかけると、思いがけずたくさんの家族が参加してくれました。保育園の担任の先生も「みんなの笑い声がして、ここだと分かった」とうれしそうに立ち寄ってくれ、たくさんの「笑顔」があふれた楽しい時間を過ごすことができました。桜吹雪が舞う中、子どもも大人も一緒になって笑い合う姿を見つめながら、「何とかして日常を取り戻したい」そんな気持ちをかみしめた去年のお花見でした。
今年、私たちはいつもの公園でお花見をしました。日時を設定しただけで、あとは自由参加の自由解散。それにもかかわらずクラスメイトのほとんどが顔を出してくれました。朝から来る人もいれば、昼頃から来る人も・・・。元担任の先生もフィアンセを連れて登場し、幸せいっぱいのお花見となりました。

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ロビーにも人があふれ、「平和憲法を守ろう」の熱気にあふれた集会

私はみんなに、この機関紙にみんなの声を伝えたいので写真を載せても良いかと話しました。「俺達は、打ち拉がれて下を向いて生きているのではなく、みんなで前を向いて歩いていると言うことを発信したいんだ」と思いを伝えると、みんなお酒を飲みながら楽しそうに談笑していましたが、一瞬真剣な顔つきで私の言葉に耳を傾けてくれて、快く同意してくれました。原発事故から2年が経過し、食品の検査体制や地域の除染も一定進んではいますが、まだまだ問題点も多く、手放しに喜べる状況ではありません。ですが、私たちは前を向いて歩んでいるのだという思いを共有することができました。これからも福島で暮らす仲間と共に、そして、全国の仲間とも手を取り合いながら未来へ歩んで行けたらと思います。

(次回は7月号)

東南西北

中 信

第1回子育て講座

第1回子育て講座

4月18日、えんぱーくにて第1回子育て講座を開催。保育室も準備し、子どもを含め35人が参加。テーマは「子どもの病気と応急処置」、講師は塩尻協立病院小児科の小口桂子医師。「風邪ひいたときどうする?」「ハチに刺されたら?」「食物アレルギーが出たら?」等多くの質問に優しく丁寧な回答で好評でした。

飯 伊

第18回ゆいの会総会開かれる

第18回ゆいの会総会開かれる

5月12日、飯田市龍江公民館にて第18回ゆいの会総会が開催されました。今回の総会は、法人との協同で計画、実施され、法人の総会的な報告集会として多くの職員が実行委員として関わりました。地域の方と職員145人の参加があり、法人の事業所紹介を寸劇を交え行い、参加者からも大変好評でした。

東 信

東信医療生協で憲法学習会

東信医療生協で憲法学習会

4月20日、「日本国憲法からみた、TPP・社会保障制度改革推進法の問題点」と題し、全日本民医連副会長の吉田万三氏を講師に、組合員39人・職員45人が参加しました。日本の自衛隊をアジアはどう見ているのかを外国の目線から解説したり、足立区長時代の経験を話されたり、笑いを交えた学習会になりました。

上伊那

農協と共催でTPP学習会

農協と共催でTPP学習会

4月30日、JA上伊那本所でTPP参加反対学習決起集会が行われました。農協や医療生協など38団体の主催・賛同で、約470人が参加。東京大学大学院・鈴木宣弘教授が、TPPについてわかりやすくユーモアを交え、同時に恐ろしさがわかる話をされました。いろいろな分野の人が力をあわせて運動をつくる確かな一歩となりました。

長 野

南長池診療所健康まつりに400人

南長池診療所健康まつりに400人

5月19日、南長池診療所健康まつりが行われました。当日は天候にも恵まれ、400人もの参加者で大盛況でした。被災地の宮城県から長野県に移住し、現在は川西生協診療所のボランティアをされている相沢さんを招いての講演会、健康チェック、模擬店、舞台発表などのイベントも大いに盛り上がりました。

諏 訪

"しもすわ三角八丁"で健康相談

4月28日、「しもすわ三角八丁」が開かれました。これは毎年春秋に下諏訪町で行われるお祭りです。食べ物や地酒などの出店と並び、諏訪共立病院は職員14人で無料の血圧測定と骨密度検査を行いました。普段できないからと、骨密度検査には半日で50人以上が。栄養士による食事のアドバイスも大変好評でした。

急性期内科病棟における終末期患者の家族の思い 長野中央病院・看護師 若林 望

急性期内科病棟では入退院が頻繁にあり、60床に対し10:1の看護体制で運用しています。現状では十分に終末期患者と関われていない状況があります。家族から不満をぶつけられることが多く、看護師の患者へのケアや対応・家族への関り方を患者家族はどのように感じていたのか考えるようになり、調査を開始しました。調査方法は死亡退院された患者(悪性腫瘍、70〜80代の男女)の家族を訪問し、集められた意見を分類し考察を加えました。

家族が求めていたものとは

病室を訪問する若林さん(右)
病室を訪問する若林さん(右)

私たち看護師は患者の状態に目を行き届かせ、家族にも病状についての話はします。しかし家族からは、「看護師から患者本人に生活背景を聞いてほしかった」「雑談でも何でもいいから何か話がしたかった」という回答がありました。
家族が求めていたものは世間話のような何でもない話だと気づきました。看護師が忙しそうなのを身近に見て、話したい思いを我慢していたことがわかりました。
また、「面会に来ても何をしてあげればいいのかわからない」という家族もいました。「ただ傍にいて患者に触れることも大切」と看護師が言葉にして伝える事で家族は自分の行為を肯定的にとらえる事ができるのだと感じました。自身を肯定的にとらえることで不安や後悔が軽減できるのではないかと考えます。
現在、急性期内科病棟では週に1回ターミナルカンファを行っています。患者・家族の思いを知り、今できることを検討して実行しています。この成果として今回訪問した全ての家族から「よくやってくれた」という思いを聞くことができたのではないかと考えます。

後悔を軽減する看護の役割

4階南病棟
4階南病棟

また、家族は患者との間に意見の相違があっても、患者の意思を尊重するようにしますが、看取りを終えたあと、その行為が家族の後悔につながっていることが分かりました。患者と家族に意見の相違がある場合には、看護師に対しその思いを表出することで看取りを終えた後の後悔を軽減できるのではないかと考えました。
現状では患者・家族から求められている看護を行うには十分な時間が取れない体制ですが、「不安・不満・後悔」この思いを少なくしていける環境を作って行きたいと思います。
【2013年学運交発表より】

長野県連の団結とパワーを支える 部会紹介8 看介護部

管轄する委員会
看護委員会(看護教育委員会・看学生委員会・若看委員会・助手研修実行委員会・ナースウェーブ推進委員会)
介護委員会(介護教育委員会・介護ウェーブ委員会・若看介護職確保委員会)
看介護研究交流集会運営委員会
看介護研究講座運営委員会

県連の看護職員は1200人・介護職員は800人の大所帯です。部会の目的は、県連の長期計画実現のための事業展開にあった量・質の確保と看護・介護職の民医連的成長、質の向上を目指すことです。
今年度の重点は、看護委員会では「看護政策づくり」です。1989年版の県連看護政策(案)が掘り起こされたことをきっかけに、大先輩が創り上げた歴史を引き継ぎ、次の世代に繋げるためプロジェクト会議を立ち上げ今年度内の完成をめざしています。
教育の分野では、今期から研究講座に重点を置いた看護介護教育委員会を「看介護研究講座運営委員会」と「看護教育委員会」に分けました。看護教育委員会として、県連初期研修要項の見直しに着手していきます。
また、重要性が増している「訪問看護ステーション」の課題を共有するために、看護委員会からの担当理事の派遣を決めました。
急速に大きくなった介護委員会は3つの委員会の機能を高め、研修企画はもとより、介護ウェ-ブでは民医連以外の諸団体や介護事業所に働きかけ共闘の架け橋の役割を果たしてきています。介護福祉活動部と認識を共有しながら、介護職の組織化、独立の問題を具体化していきます。

(看介護部長・宗田 まゆ美)

初めて!子育て友の会例会

初めて!子育て友の会例会

昨年秋から健和会病院小児科・病児保育室などが中心となって準備してきた「子育て友の会」が、5月11日、初めての例会を鼎公民館で開催しました。
30人の参加者は、今後友の会でやりたいことや健和会への期待・要望などを出し合いました。また服部美秀医師による講演「勇気づけの子育て」とその後のグループワークでは、お互いの思いや経験を交流しました。「元気が出ました!」などの感想も聞かれ、たいへん好評でした。

(健和会病院・近藤 健)

JBにかける想い

マスコットキャラクター・"まつりんご"

「県連JB」「全国JB現地事務局」合同合宿

4/26〜27に県連JB委員と全国JB現地事務局合同合宿が開催されました。
1日目は、諏訪共立病院山田事務長より「青年職員に期待すること」をご自身が民医連に入職し、今に至るまでの経験をふまえお話していただきました。翌日は自分たちの事業所JBをどう盛り上げていくか、企画や活動内容を議論しました。
この合宿でこれからJBを引っ張っていく者同士結束をかためることができました!9月の全国JB成功へ向けて頑張ります。

全国JB in 白樺湖 FW(フィールドワーク)紹介9つのFWを構成しました。ご紹介します!

  • ❶ 松代大本営での強制労働や広島・長崎との関わりを学ぶFW
  • ❷ ハンセン病患者の人権回復の歴史を学ぶFW
  • ❸ 長野大学久保木匡介先生の講演から貧困を考えるFW
  • ❹ 安曇野ちひろ美術館で絵に込められた思いから平和を考えるFW
    (画家いわさきちひろさんの息子・松本猛さんが解説します。)
  • ❺ 大自然の中でTPPを学ぶFW
  • ❻ 『福祉と健康の村』原村を知り、医療のあり方を考えるFW
  • ❼曽我逸郎中川村村長の講演と自然エネルギーを体験するFW
  • ❽ 731部隊を通じて戦争の悲惨さを学ぶFW
  • ❾ 教科書で学べない満蒙開拓の歴史を学ぶFW

どのコースもお楽しみ企画も盛り沢山! JBニュースで詳しく紹介しています。JBニュースもぜひ読んでみてください!

(全国JB現地事務局・塩尻協立病院 二木 文康)

年をとっても地域で暮らせる 介護複合施設「諏訪共立ケアセンター赤砂」ができました

「諏訪共立ケアセンター赤砂」全景
「諏訪共立ケアセンター赤砂」全景

5月1日、下諏訪町西赤砂に介護複合施設「諏訪共立ケアセンター赤砂」がオープン!4月29日には開所式も行われました。既設の「ショートステイひまわりの家」の諏訪湖側に新たに鉄筋コンクリート一部3階建て(延べ床面積約1800㎡)のセンターを建設。介護老人保健施設「老健すずかぜ」、老健すずかぜ通所リハビリテーション、小規模多機能型居宅介護「小規模多機能ケアぬくもり」の3事業所を新たに設け、既存の施設と合わせ4つの高齢者が利用できる福祉の拠点が誕生しました。建設の経緯と展望を西村高志センター長に聞きました。
(編集委員・古池 智)

諏訪共立ケアセンター赤砂
介護老人保健施設「老健すずかぜ」
小規模多機能型居宅介護「小規模多機能ケアぬくもり」
老健すずかぜ通所リハビリテーション
短期入所生活介護「ショートステイひまわりの家」

地域のみなさんと一緒に入念な準備

4人部屋でもプライバシーに配慮した空間づくり
4人部屋でもプライバシーに配慮した空間づくり
電子カルテで情報の共有
電子カルテで情報の共有
家庭的なサービスに努めます
家庭的なサービスに努めます

南信勤医協は2011年春から下諏訪町をはじめ諏訪広域連合に施設設置を申し入れてきました。とくに下諏訪町健康福祉課や町長懇談などを重ね、泉の会や介護者の会「結の会」からの切実な要望などを挙げて要請をしてきました。
その結果、昨年6月29日に諏訪広域連合と下諏訪町から地域密着型小規模介護老人保健施設(サテライト型)と地域密着型小規模多機能型居宅介護施設の選定事業者として決定を受けました。当法人も、患者さんの「次の行き先」が決まらないなどの状況が続いてきただけに、老健などの中間施設の開設は課題でした。国の第5期介護保険事業計画に選定されたことは法人活動の前進となりました。
決定後、建設委員会で開設準備を進めてきました。建設委員には建設委員長の木下真理子医師含め事務局職員9人、地域住民代表として泉の会3人と介護者の会2人、地元住民1人に加わっていただきました。
開設準備では職員研修を重点の一つに位置づけ、経験と教訓などを学ぶため、県連内の老人保健施設や小規模多機能型居宅介護施設を中心に研修を行いました。受け入れてくださった法人、事業所のみなさんに感謝いたします。

4つの事業所からなる「諏訪共立ケアセンター赤砂」

「老健すずかぜ」は諏訪共立病院が本体となるサテライト型老人保健施設です。在宅生活への復帰や継続した生活が送れるよう、リハビリテーションの充実と看護・介護及び相談などのサービスを提供します。ベッド数は29床です。
「老健すずかぜ通所リハ」は、定員40人(最大50人)。今までの個別リハサービスを継続し、ケアマネジャーなどから要望が強かった入浴サービスを新たに始めます。
「小規模多機能ケアぬくもり」は、住み慣れた家や地域で生活できるよう「通い」「泊まり」「訪問」のサービスを組み合わせて利用できます。登録定員25人、泊まり9人、通い15人です。スタッフと顔なじみになりやすく安心・安定したサービスができます。
「ショートステイひまわりの家」は、今まで築き上げた信頼を大切にし、さらにリハビリの視点を取り入れたサービスを行います。
また、ケアセンター赤砂4事業所は電子カルテを導入しました。諏訪共立病院を本体施設とした連携のとれた医療・介護の切れ目ないネットワークづくりに取り組んでいきます。すでに3月から法人内病床と介護施設を有効に活用できるよう法人病床連携会議を開催しベッドコントロールを行っています。

* * *

昨年10月下旬着工という短期工事でしたが、4月下旬完成に至りました。4月29〜30日の開所式・内覧会には合わせて400人を超えるみなさんが見学に訪れ、反響の大きさを感じました。諏訪共立ケアセンター赤砂は、利用者の立場に立ち、安心、安全、信頼のサービスを提供し、ご家族や地域住民、関連機関と協力しながら、住み慣れた地域で暮らしていける事業所をめざします。

長野県連 ぐるっと事業所めぐり10

長野 グループホーム栗田ゆうゆう

長野 グループホーム栗田ゆうゆう

2008年4月、古民家を改修した趣ある雰囲気を持ち味に、6床という長野市で最も小さなグループホームを立ち上げ、早や5年が経過しました。
テーブル一つで皆の顔が見渡せると、その日の調子も一目で分かります。それぞれが違った人生を送って来ましたが、縁あって「ゆうゆう」という家に住み、また新たな家族となりました。そのような中で、できる方ができない方を補い、支え合う関係が自然にできました。
一昨年には初めて看取りを経験しました。スタッフの中では戸惑いや葛藤もありましたが、訪問看護や診療所の支援・協力の下、本人や家族の希望に沿った最期を迎えることができたと思っています。
今年度は3床増床し、少し大きな家になる予定です。家族が増えても一人ひとりの輝きが発揮できる家になるよう努めていきたいと思います。
(所長・平間 恵理)

長野 グループホーム栗田ゆうゆう
  • 所在地
  • 〒380-0921 長野市栗田165番地
  • 連絡先
  • TEL.026-227-8785(Fax兼)
  • 事業内容
  • 認知症対応型共同生活介護
  • 定員
  • 6人(増床で9人になる予定)

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