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長野県民主医療機関連合会

アクセスマップ

〒390-0803
長野県松本市元町2-9-11
民医連会館2F
TEL.0263-36-1390
FAX.0263-33-1229

機関紙:長野県民医連

第274号 2013.07.25

TPP即時撤退へさらに学び世論を広げよう

長野県連から鈴木直美医師が発言

参議院選挙の結果を受け、安倍政権はTPP交渉参加をこれまで以上に強引に進めようとしています。選挙でもあえて争点にはせず、マスコミはあたかも既成事実であるかのように報道しています。
しかしTPP参加は「仕方がない」ではすまない影響が懸念されます。農業関係者にとどまらず、医療関係者、大学教授などの識者、弁護士がその問題点を指摘し、反対の声を上げています。私たちの身近な動きを追ってみました。


ウソで塗り固められたTPP参加

鈴木宣弘東京大学教授が影響の推定結果報告会で指摘

長野県連から鈴木直美医師が発言
長野県連から鈴木直美医師が発言

6月24日、JA長野中央会主催で行われた報告会。影響試算説明の前に鈴木教授はこう指摘しました。
「(自民党の)TPP断固反対、ブレない、ウソつかないとの選挙公約はウソだった。2月の日米共同声明ですべての関税を撤廃すると確認、日本国内では聖域が守れると二枚舌。国民皆保険や食の安全性などを取り扱わないと米国は言ったというのもウソ。TPP交渉の終了までに長年の規制緩和要求に応じなかった分野について、米国の要求に応じることを約束させられたのに。これは国民に対する詐欺で、民主主義の崩壊である。こんなことまでして政治家として生きながらえても、そんな人生は楽しいのだろうか。人として恥ずかしくないのか」。
鈴木教授は長野県では農業生産額で1029億円減少と試算。さらに離農者の雇用、水田の保湿能力を失う自然環境への影響もあり、自動車産業などのプラスを加えても派生するマイナスをカバーできないことも明らかにしました。「試算によって地域への大きな影響を確認した。政府の施策は疑問だ。このまま交渉参加に進んではいけない」と強調しました。


上伊那で組合員さんとともに学習会

TPPで"医療"が壊される
―伝えられる職員・組合員を増やそう―

上伊那生協病院待合室で開かれた学習会
上伊那生協病院待合室で開かれた学習会

上伊那医療生協の安心まちづくり委員会で「医療分野もTPPの影響は大きい」「伝えられる職員や組合員を増やそう」と、全日本民医連伴香葉次長を講師に病院待合室(6月18日夕方)、飯島町(6月19日昼)で学習会を行い130人が参加しました。
学習会は「とてもわかりやすかった」と好評で、「講演録画を職場で見たい」というリクエストもあります。班会でも学習会が行われ、「TPPは農業のこと、『自分には関係ない』と思っていたが、大変だ」「生活のすべてにかかわることだ」と理解が広がり、署名も集まっています。
7月10日、組合員さんとともに伊那市の宮下一郎地元事務所(衆議院5区自民党)に、「TPP反対署名の紹介議員になってほしい」と出向きました。秘書から「代議士に確認します」と言われ、署名は持ち帰りました。再度訪問予定です。
(上伊那医療生協組合員センター・太田範子部長に聞きました)

生活保護法「改正」案(=水際作戦、扶養義務を合法化)を廃案にした運動に確信を持ち、選挙後の再提出をストップさせる取り組みを!

長野県連でまとめた「生保実態調査」パンフレット
長野県連でまとめた
「生保実態調査」パンフレット

政府が提出した「生活保護法改正案」「生活困窮者自立支援法」が廃案になりました。国会会期末まで参議院段階で採決強行できなかったのは、当事者の皆さんをはじめ、私たちの粘り強い運動と共同の取り組みの広がりが背景にありました。
しかし政府は法案の再提出をたくらんでいます。また理不尽な生活保護基準引き下げは予定どおり8月から行われます。長野県民医連が行った調査で明らかになったのは「飢え死にしないで済んだ」「安心して通院できる」など、生活保護によって命をつないだ実態でした。全日本民医連と県連では、パンフレットを活用した学習、当事者の声を形にする運動、国や自治体にむけた取り組みなどを呼びかけています。

法人総会・総代会ひらかれる

5月から6月にかけて各法人で総会・総代会が開かれ、方針等の討論や採決が行われました。

中信勤労者医療協会第1回(通算47回)定期総会 5/25

2012年7月「さよなら原発」行動
2012年7月「さよなら原発」行動

社会医療法人となって初めての定期総会となりました。総会では古畑理事長はじめ、来賓の方々から口々に今の社会情勢にふれた挨拶があり、民医連の院所・施設に対する期待は大きく、よりよい医療制度・福祉制度をつくるためにも、参院選で要求実現めざして頑張っていく決意が語られました。
2013年は、松本協立病院の増改築計画を具体化し、各事業所とも今後の高齢化社会の医療・介護への取り組みを進めていく。また、経営的には累積赤字を解消していく予算が確認されました。

(専務・三村 功)

南信勤医協第40回定期総会 5/25

「諏訪共立ケアセンター赤砂」のテープカット
「諏訪共立ケアセンター赤砂」のテープカット

12年度に診療・介護報酬の同時改定があり、大幅なマイナス改定になると試算されました。しかし全役職員の頑張りにより、予算超過達成し年間2551万円の当期純利益を確保し、累積剰余金は1億1106万円となりました。当法人は12年10月社会医療法人に認可され公益法人となりました。5月には諏訪共立ケアセンター赤砂を開設し、法人内外の連携を強め、リハビリテーションを「売り」に、安心して利用できる施設運営を行うことを確認しました。13年度は、回復期リハビリ病棟の増床と同病棟入院料1を取得し、予算達成をめざします。医師、看護師など後継者対策に力を入れます。

(専務理事・清水 晃)

第39回健和会定期総会 6/9

総会
総会

2014年4月から社会医療法人への法人変更を前提とした①定款変更②「持ち分のある(返済できる)出資金」を「持ち分のない(返済できない)出資金」に変更③社員数を大幅に減らすなど、大きな組織変更案が提案・議論されました。
「社員数を大幅に減らす提案だが、組織の透明性はどのように確保して行くのか?」「伊那谷健康友の会の位置づけはどうなるのか?」「新社員の承認はどこで認めるのか」「地域別に説明会を開催してほしい」等の質疑・意見に対し理事会が丁寧に答弁を行い、出席社員全員の賛成で全議案が可決されました。

(専務・林 憲治)

東信医療生協第29回通常総代会 6/22

5周年を迎えた元気倶楽部まゆ
5周年を迎えた元気倶楽部まゆ

出席総代146人(本人出席111人、代理人出席5人、書面議決30人)、5本の議案が審議され、すべての議案が賛成多数で可決されました。
審議の中では、医師が増員する中、経営を改善し、新規事業を成功させようという趣旨の発言が多く出されました。
決定された上田生協診療所複合型施設(診療所の新築、小規模老人保健施設、高齢者住宅)建設成功へ向け、組合員と役職員で一丸となって進めていきます。

(専務理事・中澤祐一)

長野医療生協第58回通常総代会 6/23

第9期増改築を終えた長野中央病院
第9期増改築を終えた長野中央病院

総代定数263人のうち、出席総代数195人、書面議決65人で8つの議案すべてが賛成多数で採択されました。
2012年度は一昨年の長野中央介護センターつるがに続く大事業として、長野中央病院第9期増改築工事を、組合員と職員の協同で診療活動を継続させながら成功させてきました。
今年度は、地域からいっそう信頼される医療・介護の充実をめざし、助け合いの輪づくりや健康づくりの活動を強め、明るいまちづくりにとりくみます。なお、役員改選で理事長が山口光昭さんから花岡邦明さんに替わりました。

(専務理事・谷口亮一)

上伊那医療生協第29回通常総代会 6/23

総代会
総代会

総代会では、①病院の20床増床を伴う増改築工事、②伊那市狐島への総合ケアセンターの建設(グループホーム2ユニット、小規模多機能型居宅介護の新規指定、デイサービスの拡張、障がい者の就労支援、自立訓練併設、訪問看護、訪問リハビリ、訪問ヘルパー、居宅介護支援の統合)、③生協診療所いいじまの移転を伴う新たな総合ケアセンター建設という、3大事業計画を決定。出資金2億円の純増をめざす大運動を行うことになりました。建設の年ですが、3000万円の税引き前黒字をめざします。新たな役員体制も決めました。

(専務理事・野口正泰)

大澤由記(よしのり)さんの福島だより❷ 福島からコール ― 40回をこえた金曜行動―

「6.2 NO NUKES DAY 原発ゼロをめざす中央集会」のオープニング、毎週、福島市の街なかで再稼働反対の行動を一緒にやっている若者達とステージに立ち、全国から集まった1万8000人と共にコールしました。
「原発いらない!子どもを守れ!大飯もいらない!だから再稼働反対!」と激しくライブ感のあるリズムに乗せながらパフォーマンスをくりひろげている反原連の千葉麗子さん。「とめまっしょ〜い、とめまっしょい、 ハイッ!」と促されて、思わずあとに続いてコールしたくなる愛媛のかわいらしい女の子。官邸前行動の連帯という枠組みからさらに発展して、地域性のある運動として広がっているのだなと感じました。

震災から1年あまりが過ぎた昨年の今頃、毎週金曜日に行われている首相官邸前行動の存在を知り、初めは自分も官邸前に行きたいと強く思いましたが、この行動に賛同して小さなデモが全国各地で行われていることを知り、自分も福島で声を上げたいと考え始めました。
2012年7月に福島市で行われたデモを主催した若者たちに、「毎週金曜日に行動をしないか」と持ちかけました。そして8月3日(金)、私たちの金曜行動がスタートしました。
福島は原発事故被害地域という点で、官邸前や他の場所とは違う複雑な心境があります。強い口調でのシュプレヒコールやスピーチを行っても道行く人たちからの共感は少ないと感じ、毎回試行錯誤しながら、楽器やプラカードを持ち寄り、太鼓のリズムに合わせながら「福島原発、10基を廃炉に」「安倍政権は、責任果たせ」とにぎやかに、そして真剣にコールをしています。
この活動は、雨の日も大雪の日も休まずに40回あまり続けてきました。道行く人の反応はさまざまですが、それでも、毎週金曜日の活動として市民権を得てきているような感触があります。今年3月末に広場の自転車整理をしている方に「ひと冬超えましたね。よくがんばりました」と、嬉しい言葉をかけてもらいました。

原発の配電盤にねずみが1匹迷い込み電源が喪失するという事故がありましたが、私は、あの時と同じ緊張感と不安を感じました。事故の恐怖と不安を体験した福島だからこそ、「原発はいらない」と声をあげ続けていくことに意味があると思います。私にとって金曜行動は、この気持ちを胸に歩み続けていることの証です。

(次回は9月号に掲載します)

一人ひとりの「物語られるいのち」に寄り沿って 上伊那医療生協・看護部長 村田 裕子

「終末期への願い」を聞き取る

チーム在宅が企画したお花見
チーム在宅が企画したお花見

上伊那医療生協では、患者さんや利用者さんに寄り添う医療、介護の実践として、どういう終末期を迎えたいのかを聞き取るプロセスを大事にしています。
たとえば、「生まれてから今日までのこと」「家族や友人など大切な人達への思い、身近な人の死を通じて感じたこと、大切にしたいこと」「残りの人生を何を大切にしてどのように生きたいか」など日常の関わりの中で話題にすることで共有しています。

医療生協の班会テーマで発展

「物語られるいのち」の班会
「物語られるいのち」の班会

きっかけは、法人の倫理委員会の取組みでした。患者さん・利用者さんの具合が悪くなられた時、「自分がどこまで、どのように治療したいか」「終末期をどこで、どう過ごしたいの」など、ほとんど事前に話し合われていませんでした。本人の意思はわからないまま、ご家族は悩み、結論を出されるのですが、それを本人が望んでいたのか、最善なのかを最後まで悩まれるのです。
医療生協ならではの取り組みとして、このテーマの班会に取り組み、2013年2月の県連学運交に発表しました。班会の中では「気になっていたが、話すのはタブーな感じだった」「これをきっかけに家族に話してみたい」「自分の終末期の希望を書いてみたい」などの意見が聞かれ、班会の依頼も徐々に増えてきています。

物語られる医療・介護の実践へ

なないろの家で学習会(講師は福冨医師)
なないろの家で学習会
(講師は福冨医師)

そして今年。2013年度の法人目標の一つとして「物語られる医療・介護の実践」を挙げ、取り組みがはじまりました。病院・診療所だけでなく介護施設も一緒に取り組んでいます。
まず、各事業所で倫理委員長の福冨医師による「物語られるいのち」(アドバンス・ケア・プランニングの実践(ACP*)の学習会を行いました。
具体的な取り組み内容は、

①病院や施設でのとりくみ

病院は電子カルテ、施設は紙カルテにそれぞれ「物語られるいのち」のページをつくり、全職種の職員が、その方やご家族に関わる中、情報収集して記入する。日々の些細な関わりの中でも得られる情報を残しています。それを日々の看護介護計画に活かしたり、急性期病院への転院時にも情報提供し、その方の思いがきちんと伝わるようにします。

②地域の班会でのメニューに!

「希望に沿った、尊厳が守られる終末期をむかえるために、自分の『物語られるいのち』の記録を残しましょう!」をテーマに班会を開催する。講師は倫理委員が受け持ちました。予想されるそれぞれの段階の治療法なども説明します。

*  *

この取り組みを通じて、私たちは医療介護の専門家として、その人の「希望や尊厳が守られるよう」また「どう生きたいのかに寄り添った」支援をしていきたいと考えています。

(学運交発表演題に加筆)

※アドバンス・ケア・プランニング(ACP)/意思決定能力が亡くなったときに備えて、あらかじめ自分が大切にしていること、治療や医療に対する意向、代理意思決定者などを話し合うプロセスのこと

NO WAR 平和憲法守る私の声④

岩間ひとみ(社会福祉法人共立福祉会 副理事長/ケアハウス高尾施設長)

新入職員オリエンテーションで"民医連 憲法手帳"を使用していますが、今回の原稿依頼もあり、改めて"憲法手帳"を見返しました。
私が持っているものは2005年発行版です。とびらは当時の会長・肥田泰先生の言葉ですが冒頭は、「日本が世界に誇る平和憲法が変えられてしまうかもしれない、こんな危険がせまっています。」となっています。この頃からすでに改憲の闇がうごめいていたのかと思うと背筋が寒くなりました。
私は広島県出身です。身内に被爆者はいませんが、85歳の父は学徒動員で大久野島の毒ガス運搬に携わり、毒ガス従事者としての認定のもと現在も定期健診を受けています。寒い冬や梅雨時には肺炎になりやすく何度か入院もしました。また、私が幼い頃カトリック信者の父と共に毎週日曜日には市内の教会へ行きましたが、当時の広島市街で、義足や義手の男性を多く見かけたことが心に残っています。戦争による被害ではと思います。
戦後68年、全ての人々が犠牲の対象となる戦争の悲惨さや怖さが、今の日本の中で薄れてきているとしたら大変な事態です。参院選の大きな争点である憲法問題。先日保育園児の母親に対する憲法改定についてのインタビューを見ましたが、「今は子育てに精一杯で憲法のことを考える余裕はありません」という答えに唖然としました。アベノミクスで惑わせ、増税で生活を苦しめる、この母親の発言は全国的な傾向かもしれません。改憲勢力はそこを狙っているのだと思います。
改訂版"民医連 憲法手帳"で藤末衛会長は「日常の仕事や日々起きている出来事を、憲法と綱領の視点から問い直し、自ら考えていく事が大切です。」と言っています。まずは私たちが憲法を身近に感じ、その尊さを伝えていくことです。危機感を持って...。

JBにかける想い

マスコットキャラクター・"まつりんご"

健和会病院
交流会で盛り上がる


総勢17人で活動しています!係の分担もしっかり決め、委員長・副委員長・広報部・会計・議事録など、一人の負担にならないような体制を作っています。長野県での全国JB開催ということで、院内から盛り上げようと健和会独自のプレJBで「満蒙開拓」をテーマにした学習会・交流会を7月7日に行い大盛況に終わりました。全国JBに参加し、最高の思い出と経験を残したいと思います(^^)/

(福澤 彩)

中信
ちひろの思いを学ぶ


6月22日、中信JB新歓企画で『安曇野ちひろ美術館見学&焼肉交流会』を行いました。松本協立、塩尻協立、あずみの里から30人が参加しました。美術館の方のお話や館内の見学を通じて、いわさきちひろさんの絵に込めた思いを感じることができました。

(柳沢 卓)

2分で読めるミニ学習

「社会保障制度改革国民会議」って?

社会保障制度改革国民会議(以下、国民会議)は、先の民主党政権が国会に提出した「社会保障・税一体改革関連法案」の国会審議の過程の中で、民主・自民・公明の三党合意として確認され成立した「社会保障制度改革推進法」(以下、推進法)の規定にもとづいて内閣内に設置されたもの。総理大臣が任命し、15人の有識者で構成されています。
この推進法は、自民党主導でまとまった法律で「自民党の哲学が貫かれている」(自民党・鴨下議員)内容です。推進法の社会保障制度改革の基本的な考えは、自立・自助を基本に家族相互、国民相互の助け合いの仕組みづくりで、生存権保障と国家の責務を規定した憲法25条の考え・精神を否定する内容です。
その基本的な考え方にもとづき、給付内容は保険料の範囲内に抑える、公費負担は消費税・地方消費税を充当するとしました。
国民会議は、推進法の内容に沿って、社会保障4分野である公的年金制度、医療保険制度、介護保険制度、少子化対策の改革内容について1年(8月21日まで)かけて討議し、その内容を内閣総理大臣に報告することになっています。
昨年11月30日の第1回会議から7月12日の第17回会議まで開催され、現在、討論のまとめ案(報告案)が検討されています。その内容は、給付内容の大幅な制限・縮小と保険料の大幅引上げです。

(長野県社会保障推進協議会・事務局長 湯浅 健夫)

長野中央病院 増改築工事竣工で 医師研修基幹型病院としていっそう充実

総合診療病棟での研修医の回診

病院機能をさらに高みへ

多職種が参加して一斉に行われる「総合診療病棟」のカンファレンス
多職種が参加して一斉に行われる「総合診療病棟」のカンファレンス

6月29日、長野ホテル犀北館で長野中央病院第9期増改築工事の竣工祝賀会が、来賓含め約200人で開催されました。
診療を続けながら約1年にわたった増改築工事により、広い待合室や「患者支援室」の設置などかかりやすさの追求、ドック健診センターの拡充、高度な医療と救急に対応するための心臓病センター・内視鏡センター・ハイケアユニット(HCU)・手術室、心臓カテーテル室の新設・増室、そして甲信越ではじめてのハイブリッドオペ室を新設しました。費用は新規医療機器購入含め21億円、今まで以上に安全で質の高い医療を進めていく事ができます。
リニューアルでは職員育成にも力を入れ、5階にはライブデモンストレーションが見られる220人収容の研修ホールと、新たに「総合診療病棟」も新設しました。

研修病棟を新設

「総合診療病棟」は「4西病棟」とも呼ばれ、20床増床と4階北病棟のベッドを調整して、新たに37床の病棟として開設しました。研修医を中心に「総合力と専門性」を身につけることを目的とした研修病棟です。
内科部長が病棟医長を兼務し、研修にふさわしい症例を中心に受け入れ、屋根瓦方式の研修を基本にし、各科の専門医が交代で週1単位入り、専門的立場で指導とショートレクチャーを行います。火曜日午後のカンファレンスには、内科医師は可能な限り参加します。

多職種の集中的関わりで入院期間短縮

木曜午後カンファレンスは、病棟医長、指導医、研修医、コメディカル(薬剤師、栄養士、リハ、MSW)が参加します。このカンファでは、患者一人ひとりについて「目標」を設定します。いつ、どこに、どうなって退院するか、そのために医師、コメディカルは何をするか、という情報共有と治療方針、軌道修正を一丸となって探求します。
一般的な「総合診療病棟」は、専門科での受け取り手のない患者が集積してしまい、時には寝たきり患者ばかりで入院期間が長くなっていく傾向がありますが、この病棟はいち早く診断、治療方針が決まるため、院内でも入院期間が最も短くなっています。
この患者へのアプローチの経験が研修医だけでなく看護、コメディカルの力量アップにもつながります。

研修ホールでは、心臓カテーテル手術の模様をライブ中継で見ることができる
研修ホールでは、心臓カテーテル手術の模様をライブ中継で見ることができる

多様性が広がる研修ホール

この総合診療病棟は医局の真上に存在し、医局脇の階段で直通という利便性です。さらにその上が研修ホールです。
研修ホールでは毎週火曜日の夕方、プライバシーに配慮しながら心カテのライブが行われ、希望者はライブを見ることができます。また電カルやPC接続もでき、研修の多様性が広がっています。
6月末には長野市救急隊との症例検討会を開催し、救急隊12人、職員約80人が参加しました。救急隊からは、患者のその後や処置の適否、医師からは救急搬送時の注意点等、活発な検討が行われました。研修ホールは飲食も可、検討会後は救急隊とゆっくり懇親もできました。

* *

「ハードは立派になった。今後は中身の充実を」と組合員からの期待も高まっています。十分にこたえられる条件は揃いました。

(藤沢 薫)

長野県連 ぐるっと事業所めぐり11

飯伊 地域活動支援センター 七和の里(社会福祉法人 ゆいの里)

七和の里での活動
七和の里での活動

障がいを持っていても住みなれた地域で安心して暮らしたい、そんな願いでつくられた障がい者支援事業所です。日々8人くらいの方が仕事をしたり、好きなことを楽しみながら日中の居場所として利用しています。
さまざまなハンディはありますが、「特養ゆい」や「ハートヒル川路」での掃除や洗濯など、自分の持てる力を発揮して仕事をしています。「みんなのおかげ‼」「ありがとね」と声をかけていただき、喜びややりがいを感じています。
昨年、「ゆいの里配食センター」の一角に、喫茶"おひさまカフェ"を開店しました。地域の方とふれあいながら仕事をしています。ケーキとコーヒーを用意してお待ちしていまーす。職員は利用者さんの楽しくホッとするひと言にいやされながら働いています。
(所長・福澤恵子)

喫茶
喫茶"おひさまカフェ"
  • 所在地
  • 〒399-2221 飯田市龍江9062-3
  • 連絡先
  • TEL.0265-27-4442(Fax兼)
  • 事業内容
  • 障がい者地域活動支援センター
  • 定員
  • 10人

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