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長野県民主医療機関連合会

アクセスマップ

〒390-0803
長野県松本市元町2-9-11
民医連会館2F
TEL.0263-36-1390
FAX.0263-33-1229

機関紙:長野県民医連

第287号 2014.09.25

忘れないことが最大の支援

「福島は今」(パート3)ともに考えよう

浜通り医療生協の工藤さん
浜通り医療生協の工藤さん
パワーポイントに映し出される「福島」を見つめる参加者
パワーポイントに映し出される
「福島」を見つめる参加者

「福島を忘れない」「現地の声を聞き、それに応えたい」とはじまった「福島は今」が、3回目を迎えました。8月30日、会場のJA松本市会館には各連絡会から55人が参加。今回は浜通り医療生活協同組合組織部の工藤史雄さんのお話と長野県連の各連絡会の取り組みを聞きました。

増えている被害者

工藤さんは、まず原発事故の被害データを示し、どれほどの災害であったか語りました。そして、避難所などで肉体的、精神的に疲労した結果、いわゆる震災関連死とされる人が、2014年3月では1671人、同年8月には1748人と増えていると報告しました。 このことからも、いまだに被害者は増えていて事故が収束している状況ではないこと、原発事故の深刻さをあらためて痛感させられました。
また、避難先から一時帰宅した際に自殺をした女性の遺族が、「自殺は避難生活を強いられたことが原因だ」と東電を訴えているという話の中で、東電側の非情な主張があったことに、言葉をつまらせ涙される場面もありました。
この裁判は、8月26日に福島地方裁判所で「女性の自殺原因は原発事故である」として、東電を断罪、賠償命令が出されました。その後、9月5日に判決が確定、被災者の自殺原因を原発事故と認めた初の判決となりました。

DVD「福島原発事故~絶望から希望へ~」(1枚500円)や絵手紙「ふるさとへの想い」などの販売も行われた
DVD「福島原発事故~絶望から希望へ~」(1枚500円)や絵手紙「ふるさとへの想い」などの販売も行われた

忘れないことが最大の支援

工藤さんの妻の通子さんは、「原発事故の完全賠償をさせる会」の原告として、裁判所での意見陳述の内容を報告してくれました。
これからも被災者のたたかいは続くこと、事故によって涙を流し悲しむ人が今現在もいることを目の当たりにし、再稼働をすすめる国や東電の対応に憤りを感じるとともに被害者の気持ちにどうやって寄り添うことができるのか考えさせられました。
「福島を忘れないことこそ最大の支援」だと工藤さんは語りました。「広島、長崎の人たちが核兵器の廃絶を訴えることを運命づけられたように、私たち福島県民はすべての原発をなくすよう訴えることを運命づけられてしまった」「語り継ぐことが歴史的使命だと思う」という言葉が印象的でした。


県連各地で支援の取り組み

イラスト

各連絡会からは、被災地の子ども達を上田に招いてリフレッシュ合宿を開催したこと、福島の青年職員を対象に甲状腺エコー検診を実施した松本協立病院、中信友の会や諏訪共立病院の青年職員が企画した福島視察の取り組みが報告されました。各取り組みから、福島を思う気持ちが伝わり、継続して活動していく事が大事であると感じました。

(松本協立病院 事務 猪狩 努)

民医連介護を未来へつなごう「介護職リーダー養成講座」を開校

真剣なまなざしで講義を聞く参加者と講師の岩須事務局長
真剣なまなざしで講義を聞く参加者と講師の岩須事務局長
班ごとの討論も活発に
班ごとの討論も活発に
非核3原則の実行・核密約破棄・沖縄連帯・米軍基地撤去分科会

2014年度長野県連「介護職リーダー養成講座」を8月27日に開講しました。4回の講義で1コースとなり、次年度にフォローアップを予定しています。
各法人から未来の介護職幹部として期待される29人が顔を合わせ、学び交流しました。午前中、岩須靖弘県連事務局長から、民医連の深く豊かな歴史と情勢等の話を聞き、新しい時代に挑む自分たちの役割を再認識すると同時に、温かな期待の言葉を胸に刻みました。
長野県連の介護職員は介護事業の発展とともに増員され、県連職員全体の25%、900人に達しています。また、これまで看介護部会として活動してきましたが、今期からは「介護職部会」として単独の部会活動を推進しています。
これまで28期の2年間に行った同講座では、46人が受講しました。現在、介護幹部として各法人で活躍している人が大勢います。講座を通して、民医連運動を未来へつなぐ担い手としての自覚をさらに深め、介護職のリーダーとして民医連綱領と介護福祉の理念に確信を持ち、介護の質の向上を牽引する力量を磨いていければと企画しています。第2講座は10月に開催予定です。

(県連介護部長 山口 とよ子)

"持ち回り理事会"はじまる

第31期の理事会開催については、①原則毎月第2土曜日開催 ②年1回は重要議題で合宿理事会を行う ③忙しい医師理事の理事会参加を促進するため会議会場の一部をもちまわりにする、ということを決めています。9月の理事会は健和会病院で開催しました。飯伊では医師理事も含め全員参加となりました。

写真写真

上伊那の介護職員が高校の授業で教えています

上伊那の介護職員が高校の授業で教えています

今年度から、上伊那医療生協の2人の介護職員が、高遠高校の福祉コース「福祉実習」の授業で臨時講師として教鞭をとっています。
同高校は以前から福祉分野の現場職員に講師を依頼していたのですが、他法人の前任者の退職を受けて当生協に白羽の矢が立ちました。早い段階から介護分野の優秀な人材を育成し、地域の雇用を促進するチャンスとして職員の派遣を決定しました。
授業を受け持つ学生は、2年生30人と3年生19人です。内容は、初任者研修プラスα。とても物静かな子からやんちゃな子までいろいろな生徒がいます。また、福祉に携わりたくて福祉コースを選んだわけではないという生徒も結構います。
そのような中で、少しでも福祉に興味を持ち、落ちこぼさないように指導していくというのは大変なことのように思われました。
しかし実際は違いました。
確かに授業中、一度騒ぎはじめると収拾がつかなくなるということはありますが、生徒たちは皆、自分に合ったスタンスでどんどん知識を吸収していきます。その時のみんなの瞳の輝きといったら...! また、ただ教えるばかりでなく、さまざまな行事で溌剌とした若者たちに教わることも多くあります。
私たちは教師としては素人同然ですが、今後生徒たちがどのような人生を選択したとしても悔いが残らないように、基本的人権や尊厳を中心に授業を進めていきたいと思っています。

(老健はびろの里・介護長 山本 真吾)

東南西北

諏 訪

木遣りでスタート

木遣りでスタート

8月21日、健康クラブ泉の会の共同組織強化月間スタートダッシュ集会が行われ、96人が参加しました。学習は『介護保険大改悪の中身と共同組織の出番』で、長野県社保協事務局長の湯浅健夫さんを講師に学びました。各ブロックや職員から決意表明があり、最後は職員による木遣りが披露され、元気が出ました。

中 信

復活!9条の会

復活!9条の会

少し休眠していた塩尻協立病院9条の会が、9月5日、憲法の伝道師と呼ばれる伊藤真弁護士のDVDで学習交流会を行いました。「目からウロコ!」の内容で、「豪華スイーツ」を食べながら行った交流でも、「憲法のこと、自民党が企む憲法改正の中身がとてもよくわかった」と皆さん納得の内容でした。

飯 伊

"ゆいの里平和の集い"開催

9月12日、原水禁参加者報告会を兼ねて平和についての学習会が開催されました。地域の方と職員で41人が参加し、吉田豊先生の『平和・いのちのために』と題した講演を聞きました。今の内閣では、知らないうちに平和やいのちに関わることが決まってしまい、自分たちはどうすればいいのか考えさせられる集いでした。

東 信

複合型施設安全祈願祭が行われる

複合型施設安全祈願祭が行われる

9月11日、上田生協診療所複合型施設の建設安全祈願祭が行われました。施工業者をはじめ協力企業の来賓や理事・建設委員の計45人が参加し、工事の安全と建設事業の成功を願いました。最後に西澤理事長より「地域の医療・介護の中心的役割を果たせるよう頑張りたい」との参列者へ挨拶がありました。

上伊那

9・9は人文字で

9・9は人文字で

9月9日は憲法9条の日。上伊那生協病院では、患者・組合員・職員で「9」の人文字をつくりました。秋晴れの下、手に憲法のウチワを持ち、正規の条文と井上ひさし版の「9条」をみんなで読み上げ、カメラに向かってポーズ。短時間でしたが、憲法を大切にしたい思いを互いに感じあったさわやかな取り組みでした。

長 野

「秋」を貼り絵で

「秋」を貼り絵で

8月24~29日の1週間、南長池診療所デイケアでは、利用者さんが貼り絵を制作しました。今回のテーマは「秋」。述べ64人が、折り紙を折ったり、紙をちぎったりと和気あいあい、楽しみながら作業をしました。利用者さん、職員が共同で完成させた作品は圧巻です。

「診療報酬制度」を学ぼう! 健和会病院看護部で学習会

講師の福澤事務部副部長 普段の仕事と診療報酬のつながりを学んだ
講師の福澤事務部副部長
普段の仕事と診療報酬のつながりを学んだ

健和会病院看護部では、今年度からクリニカルラダー(看護実践能力開発プログラム)を導入し、今回は、中堅看護師対象の診療報酬学習会を開催しました。講師は福澤敏恵事務部副部長です。
内容は「診療報酬マイナス改定をどう乗り切るか?」を中心に、①医療の質の向上 ②ベッドコントロール ③地域連携推進 ④医師・看護師確保 ⑤中長期経営計画などが柱でした。
参加者からは、「現状の診療報酬制度がわかっておらず、勉強不足を感じた。厳しい経営になっていくが、乗り切っていきたい」「自分達の働く職場で自分のできることを実践していきたい」等の意見が出されました。日々の医療・看護と診療報酬のつながりを学ぶことができ、自部署の経営にも意識を高められた学習会でした。

(健和会病院・久保敷 彰子)

NO WAR! 平和憲法守る私の声 15

冨田 礼花(松本協立病院・医師)

7月1日、ついに安倍内閣は集団的自衛権の行使容認を閣議決定しました。
総理は記者会見で、不安そうな母子が描かれたパネルを出し、「海外の紛争地から逃げようとする日本人を、同盟国であり能力を有する米国が救助・輸送しているとき、日本近海において攻撃を受けるかもしれない。我が国への攻撃ではありませんが、日本人の命を守るため、自衛隊が米国の船を守る。それをできるようにするのが今回の閣議決定です」と言いました。
しかし、1999年に自民党の中谷元議員が、朝鮮有事の際の在韓邦人の救出をアメリカ政府に求め、はっきりと断られています。あり得ない事態を出して、感情に訴える。何か変だと思いませんか?
近隣諸国(中国や韓国)の脅威を言う方も多いでしょう。でも13億5千万(中国)対1億2千万でどうやって戦うのでしょうか。それに中国の経済市場を手放してまで、アメリカが日本を守ると思いますか?尖角諸島や竹島の件で日本に攻め込んで来たら?それならば個別的自衛権で十分です。
ところで国連憲章の中の敵国条項をご存知でしょうか。第二次大戦で連合国の敵国(日本を含む)だった国が、終戦で確定した事項に反したり侵略政策を再現する行動等を起こした場合、国連加盟国は安保理の承認なしに該当国に軍事的制裁を課す事が許されているのです。
日本は憲法第9条2項にある「戦力の不保持」「交戦権の否認」により、これまで世界から何とか信用を得ています。集団的自衛権行使が侵略政策と認識されたら、日本の存在自体が危ういことは知っておくべきだと思います。
私は自衛隊の人道的活動には敬意を払っています。災害救助活動に感銘を受けて入隊する方も多いそうです。ですから、自衛隊を変質させ、この国を紛争に巻き込む集団的自衛権行使容認には反対です。そうなれば自衛隊志願者が減り、徴兵制が復活すると思いませんか?石破防衛大臣は、徴兵を拒否したら極刑か懲役300年と明言しています。
出回っている常識・報道などを常に疑って、自分の頭で考え、意思を示しましょう。そういう人間が増えると権力者は支配しにくくなるのです。

2分で読めるミニ学習

「混合診療」の問題点はなんですか?

福井地裁前で判決を知らせる

混合診療は、公的な医療保険が適用される診療と適用されない診療を併用して行うことです。
日本では原則、禁止されてきましたが、厚労省は混合診療の「全面解禁」を検討しています。「全面解禁」できれば、一部を保険で補いながら、保険診療が認められなかった最先端技術の治療が受けられることになり、より効果的な治療が期待できるといいます。
ここには大きな問題があります。最先端技術の治療は、自費で医療費を支払える人に限られます。また公的保険の範囲が縮小される恐れがあります。
たとえば、「コンビニなどで薬が手軽に買えるから」「生活習慣病は自己責任だから」と、今まで公的保険の対象だったものをどんどん除外でき、国の医療費を削減できます。混合診療解禁を一番主張しているのが民間の生保・損保会社というのもうなずけます。公的保険の削減で民間保険の市場が拡大できるからです。
こんなことになれば、医療費の自己負担分が支払えない人、生命保険に入れない人は医療を受けることができなくなります。民医連は、最先端の医療も含め、誰もがお金の心配なしに安心して医療が受けられる日本をめざしています。


(県連事務局次長・山田 健一)

第38回全国腎疾患管理懇話会 学術大会は飯田開催

福井地裁前で判決を知らせる

10月24・25日に行われる今年の全腎懇は、代表世話人である熊谷悦子医師(健和会病院透析センター長)の地元、飯田市で開催されます。200人規模の全国的な学術集会を成功させようと、県連内に現地実行委員会をつくり準備を進めています。

(健和会病院事務長・織野 孝司)

長野県連 ぐるっと事業所めぐり17

上田 元気倶楽部まゆ(デイサービス)

上田 元気倶楽部まゆ(デイサービス)

木造平屋民家を改修し、2008(平成20)年に開所したデイサービスです。
幅1.8mの広い廊下は総延長で50mもあるので、日本庭園を望みながら歩行練習をしています。自宅に近い雰囲気の中、リハビリができます。建物内にヘルパーステーション「にじ」の事務室があり、なじみのヘルパーさんが利用者さんに声をかけてくれます。
一番奥の10畳2間は、地域組合員さんのたまり場です。手づくな・ヨガ・コカリナなどの活発な班会活動が行われ、あちらこちらから笑い声、歌声が聞こえてきます。
利用者さんが社会と接点を感じながら、安心して1日を過ごしてもらえる場所になるようスタッフ一同努めています。

(所長・深町 雅子)


上田 元気倶楽部まゆ(デイサービス)
  • 所在地
  • 〒386-0042上田市上塩尻243-1
  • 連絡先
  • TEL. 0268-22-3248
    Fax. 0268-75-2590
  • 事業内容
  • 小規模通所介護事業所・月~金・定員19人

沖縄のたたかいに勝利して 安倍政権の「戦争する国づくり」を止めよう

全日本民医連理事会は、安倍政権の「戦争する国づくり」を止めるため、夏から秋にかけて「辺野古に新基地をつくらせない」「普天間基地撤去」のたたかいへ、全国支援を行うことを決定しました。


お年寄りから若者までが集まったゲート前の抗議集会
お年寄りから若者までが集まった
ゲート前の抗議集会
研修医からの寄せ書き
研修医からの寄せ書き

辺野古で工事準備はじまる

戦後69年。沖縄県民から強制的に土地を奪って建設した広大な米軍基地は、今も沖縄県民に大きな犠牲を強いています。住宅密集地の真ん中にある世界一危険な基地と言われる「普天間基地」は、オスプレイの配備でさらに危険度が高まりました。沖縄県民は、今年1月末「オスプレイ配備撤回」「普天間基地の県外移設」などが書かれた「建白書」を政府に提出しましたが、仲井眞沖縄県知事の一言で辺野古移設が決まりました。
政府は7月1 日からキャンプシュワブ内の関連施設の解体工事を開始。辺野古の海では立ち入り禁止の臨時制限区域を拡大し、ブイ(浮標)を設置、ブイ内に進入した市民を法的に罰すると抗議行動を萎縮させ、排除することを狙っています。
この取締りには、海上保安庁や警備会社の「アルソック」などが大動員されています。実際に抗議する反対住民を拘束するなど、権力を振りかざした乱暴な工事準備の調査が進められています。
これに対し沖縄の仲間は、政府の暴力に屈する事なくたたかいを強めています。私たちの具体的な支援は、「建白書」を実現すべく、辺野古基地反対・沖縄県知事選挙・稲嶺市政を支える名護市議選挙勝利への行動です。


汗だくで支援活動中
汗だくで支援活動中
帽子・日焼け止め・サングラス・タオルなど、活動必須グッズ
帽子・日焼け止め・サングラス・
タオルなど、活動必須グッズ

名護市議選で反対派が過半数の議席獲得

沖縄は「海がきれいで暖かい」などの観光のイメージですが、支援に行くと、きれいな海にはブイやボーリング調査の機械が入り、きれいな山は基地の一部になっています。沖縄の怒りは当然だと実感できます。
8月23日のキャンプシュアブゲート前の抗議集会は、2週間前の呼びかけにも関わらず、主催者の予想をはるかに超えて3600人が集まりました。長野県民医連の旗を持って歩いていると「ありがとう」「ありがとう」とあちこちから声がかかり、車いすのおばあが手を合わせてくれました。
支援に入った名護市議選挙(9月7日投票)では、基地反対を掲げる候補が過半数を獲得しました。


「ヤマト」の私たちに何ができるか

★県連事務局員沖縄支援スケジュール
※上記以外の期間でも支援可能です。

沖縄の人は沖縄県民を「ウチナー」、私たちを「ヤマト」と呼び分け、支援中には「ヤマトの政府のせいで辺野古は埋め立てられる」などの言葉を聴きました。沖縄に犠牲を強いている「ヤマトの政府」に対し、「ヤマト」の住民は何ができるのでしょうか。
現地に行けなくても、学習会や報告会の開催、支援募金活動、「琉球新報」や「沖縄タイムス」など、沖縄の今がリアルにわかるものを待合室などに掲示するなど、さまざまな「参加」の仕方が考えられます。私たちに何ができるか考え、長野県民医連全員で沖縄=平和の支援に全力をあげましょう。

(県連事務局・金井 友弥)


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